【古文】古文の登場人物の役割を整理する勉強法

古文・漢文の勉強法

古文を読んでいて、「この人って誰?」「さっきの『彼』って、誰のこと?」と混乱した経験はありませんか?古文に苦手意識を持つ生徒の多くがつまずくのが、登場人物の整理です。現代文と違って主語が省略されることが多く、話し手・聞き手・視点の変化も頻繁に起こるため、誰が何をしているのかが見えにくくなっています。

しかし、逆に言えば、登場人物の役割を整理しておくだけで古文の読解力は格段に上がります。本記事では、高校入試・大学入試に共通する古文対策として、「登場人物の整理」に焦点を当て、具体的な勉強法とその活用例を解説します。


1. なぜ「登場人物の整理」が必要なのか?

古文は、主語や目的語が省略されることが非常に多い文章です。そのため、文法的な知識だけでは読解が難しく、「文脈」から主語を補う必要があります。たとえば、「泣きたまふ。」という一文があったとき、現代語訳には「(女三の宮が)お泣きになる。」などと主語が補われて訳されますが、本文中にその主語が明示されていないケースは多々あります。

このような省略に対応するには、「文脈上、誰がどのような役割を持っているのか」を読み取るスキルが求められます。登場人物の性格・立場・感情・行動パターンをあらかじめ把握し、整理しておくことが、そのまま読解力につながるのです。


2. 登場人物を整理する3ステップ勉強法

古文の登場人物を把握するための具体的なステップは以下の3つです。

ステップ1:人物ごとの「役割カード」を作る

まずは有名な古文(例えば『枕草子』『源氏物語』『徒然草』など)を使って、**人物ごとの役割カード(メモ)**を作っていきましょう。

登場人物 立場・関係 性格・特徴 典型的な行動パターン
光源氏 主人公、貴族 美形・女好き 恋愛・女性を口説く
紫の上 光源氏の養女・後に妻 一途・内向的 光源氏を思い続ける
清少納言 作者自身(宮仕えの女房) 機知に富む・観察眼鋭い 宮廷生活の描写・批評

こうして整理しておくと、本文中で曖昧になりがちな「彼」や「その人」が誰かを推測する助けになります。

ステップ2:場面ごとの「人間関係図」を描く

物語文では、登場人物の関係が場面ごとに変化することがあります。特に恋愛関係や敵対関係がある場合、場面ごとの人間関係図をノートやルーズリーフに描いて整理するのがおすすめです。

  • 矢印で「好意」「反感」「上下関係」などを視覚化

  • 会話文があるときは「誰が誰に向かって話しているか」を明記

  • 心情の変化があるときは、矢印に補足メモを添える

例:「源氏物語・若紫の巻」での人間関係図

  • 光源氏 →(保護)→ 若紫

  • 乳母 →(忠義)→ 若紫

  • 光源氏 ↔(敬意)↔ 乳母

このように整理することで、誰が誰にどう関わっているのかが一目でわかります。

ステップ3:本文に「主語マーク」をつけて読む練習

読解練習では、本文の横や上に「主語マーク」「視点マーク」を自分で書き込んでみましょう。たとえば、

「かかるほどに、御車入りぬ。御簾少し上げて、覗きたまへるに……」

このような文では、「御車に乗ってきたのは誰か」「御簾を上げたのは誰か」「覗いたのは誰か」などが曖昧になりがちです。本文をノートに写すかコピーして、以下のようにマークをつけてみてください。

  • 【御車:光源氏】

  • 【御簾を上げた:光源氏】

  • 【覗いた:光源氏】

マークをつけながら読むことで、主語の補完がスムーズになりますし、入試本番でもこの思考が自然に働くようになります。


3. 定番問題の中での活用法

大学入試の記述問題での実践例

たとえば、共通テストや中堅私大の問題で「この人物がこのように考えた理由を説明せよ」などの記述が出題されることがあります。そうした問題では、その人物の立場や感情を読み取って説明する必要があるため、前もって「人物の性格」や「人間関係」が整理されていないと、適切に答えることができません。

高校入試の選択肢問題での実践例

高校入試では、主語や視点を読み間違えると「正解の選択肢を見落とす」ことになります。登場人物の整理を普段から意識しておけば、「このセリフはAがBに対して言ったものだ」と正しく理解し、誤読による失点を防げます。


4. 古文だけでなく、漢文でも活用できる!

実はこの「登場人物の整理」は漢文でも有効です。漢文も主語が省略されがちで、特に『論語』『史記』『韓非子』などの人物伝では、「誰が」「何を」「どうしたか」を明確にしておかないと、文意があやふやになります。

漢文でも同様に、「孔子=教師」「弟子=質問者」「王=政治的リーダー」などと役割を押さえながら読み進めることで、主語補完の精度が上がります。


5. 保護者の方へ:家庭学習でできる支援

古文や漢文の読解は、単なる暗記ではなく「読解力」や「論理的思考力」を鍛える絶好の機会です。保護者の方も、以下のような形でお子さまの学習をサポートできます。

  • 「今日読んだ話の登場人物を教えて」と質問してみる

  • 登場人物の関係図を一緒に見ながら確認する

  • 一緒に古文の現代語訳を音読してみる(主語がわかるか確認しながら)

一見難しそうに見える古文も、**「誰が何をしたか」がはっきりすれば、物語としてぐっと面白くなります。**家庭内でも気軽に話題にして、学習へのモチベーションにつなげましょう。


まとめ:登場人物を制する者は古文を制す

古文の読解力を上げるには、まず登場人物の整理から。役割カードを作る、関係図を描く、主語マークをつけて読む——この3ステップを日々の学習に取り入れることで、古文が「読める」ようになってきます。

古文は単なる古い日本語ではなく、「人間のドラマ」が描かれている文学作品です。人物関係に注目して読むことで、より深く、楽しく、そして正確に理解できるようになります。受験勉強の中でも、ぜひこの方法を活用してみてください。

コメント