漢文は、大学受験において「短時間で得点を稼ぎやすい」科目として知られています。共通テストや国公立二次試験では、漢文の配点が10〜20点あることも多く、ここで安定して点が取れるかどうかが合否を左右することも。
しかし、漢文に苦手意識を持つ高校生は少なくありません。「漢字ばかりで読みづらい」「返り点や訓読が難しい」「句法が多くて覚えきれない」――そんな悩みを抱えている方も多いでしょう。
実は、漢文は「重要句法」をおさえるだけで、グッと読みやすくなり、得点源になります。本記事では、漢文で頻出する句法を、実際の例文を用いながらわかりやすく解説します。高校1・2年生の基礎固め、受験生の復習、保護者のサポートにもぜひお役立てください。
1. 句法とは何か?なぜ大切なのか?
漢文における「句法」とは、一定の語順や構文によって意味や役割が決まる文法パターンのことです。日本語でいう「〜したい」や「〜している」のように、漢文でも特定の表現が特定の意味を持ちます。
たとえば以下のような形です:
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「欲〜」=〜したい
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「未〜」=まだ〜ない
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「使A〜B」=Aに〜させる
これらの句法は、文章の中でそのまま頻出し、「読める・訳せる・正しく選べる」かどうかが得点に直結します。
2. 超頻出!絶対に覚えるべき漢文句法【10選】
ここからは、特に共通テスト・大学受験で頻出する10の重要句法を、例文つきで紹介します。
① 使役形:「使(し)A〜B」=Aに〜させる
構造: 使(令・教・遣)+A+B(動詞)
意味: AにBさせる(=使役)
例文:
王使民耕田。
→ 王は民に田を耕させた。
ポイント: 主語と動作主(A)をしっかり分けること。
使役形は「誰が誰に何をさせたのか」を明確に読み解く練習が重要です。
② 受け身形:「見(けん)〜」「被(ひ)〜」=〜される
構造: 見・被・為・所+動詞
意味: 〜される(受け身)
例文:
其の言、衆に見(けん)笑(わら)はる。
→ その言葉は人々に笑われた。
ポイント: 現代文と同様、主語が「〜される」対象であることを見抜きましょう。
③ 否定形:「不(ふ)〜」=〜しない
意味: 動詞や形容詞の前について否定を表す
例文:
人に勝(か)たんと欲して、不(〜せ)ず。
→ 人に勝とうとしたが、できなかった。
ポイント: 不は最頻出の否定語。熟語にも多数含まれるので要暗記。
④ 部分否定:「常不〜」「不常〜」
意味の違いに注意:
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常不〜:いつも〜しない(完全否定)
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不常〜:いつも〜するとは限らない(一部否定)
例文:
君子、不常言。
→ 君子はいつも話すとは限らない。
ポイント: 否定語がどこにかかるかで意味が変わる。漢文の“ひっかけ”として頻出。
⑤ 疑問形:「〜乎(や・か)」=〜か?
例文:
人にして仁あらざらんや。
→ 人であって仁を持たない者があろうか。(いや、いない)
ポイント: 疑問・反語・感嘆と形が似ているため、文脈で判別する力が必要。
⑥ 反語形:「豈(あに)〜乎(や)」=どうして〜か、いや〜ない
例文:
豈に学ばずして能(よ)く知る者あらんや。
→ どうして学ばずに理解できる者があろうか(いや、いない)。
ポイント: 「あに〜や」の形で反語と判断する。直訳っぽく読むと意味を誤解しやすい。
⑦ 再読文字:「将(まさ)に〜ントす」「未(いま)だ〜ず」など
代表的な再読文字と意味:
| 漢字 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 将・且 | まさに〜ントす | 今にも〜しようとする |
| 当 | まさに〜ベし | 当然〜すべきだ |
| 応 | まさに〜ベし | きっと〜だろう |
| 宜 | よろしく〜ベし | 〜するのがよい |
| 須 | すべからく〜ベし | ぜひ〜する必要がある |
| 猶 | なほ〜のごとし | ちょうど〜のようだ |
| 由 | よりて〜す | 〜から〜する |
| 未 | いまだ〜ず | まだ〜していない |
例文:
学ばざれば、将に退かんとす。
→ 学ばなければ、やがて退くことになるだろう。
ポイント: 再読文字は「後で読む」ルールに注意しつつ、文脈理解とセットで覚える。
⑧ 仮定・条件:「若(も)し〜、則ち〜」=もし〜ならば、〜である
例文:
若し学ばずんば、則ち愚なり。
→ もし学ばなければ、愚かである。
ポイント: 条件の前後に句読点(「、」や「。」)があるか確認して読み取ろう。
⑨ 選択:「与(と)A与(や)B」=AかBか
例文:
死する与(や)生くる与(や)。
→ 死ぬのか、生きるのか。
ポイント: 単なる並列「AとB」と間違えないように文末の「与(や)」に注意。
⑩ 抑揚・強調:「唯(た)だ〜のみ」「独(ひと)り〜のみ」=〜だけ
例文:
君、唯(ただ)仁を説くのみ。
→ 君はただ仁を説くだけだ。
ポイント: 漢文では「強調」や「限定」をするための助字が多用される。訳し漏れに注意。
3. 句法を効率よく覚える3つのコツ
コツ①:「例文ごと」覚える
単なる句法名だけでなく、例文セットで暗記することで、読解にも応用しやすくなります。赤シートやカードで「句法→例文→訳」を何度も繰り返しましょう。
コツ②:「共通テスト過去問・予想問題」で実践
重要句法は、共通テスト型の選択肢問題で何度も繰り返し出ます。実践演習を通じて「どこに句法が使われているか」を見抜く訓練をしましょう。
コツ③:音読と書き写しで定着させる
音読によって句法のリズムとパターンが体に染み込みます。さらに、例文を自分で書き写すことで、視覚・聴覚・運動感覚を総動員し、効率よく定着させましょう。
4. まとめ|句法マスターが漢文得点のカギ
漢文は、一見とっつきにくいですが、「句法を知っているかどうか」で読めるかどうかが決まります。文法や語彙に比べて量が限られており、得点源にしやすいのが大きなメリット。
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高1・高2のうちに「句法の基礎」を押さえておく
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高3では「句法+文脈判断」の演習を繰り返す
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過去問演習では句法チェックを意識的に行う
このように段階的に取り組めば、漢文は確実に武器になります。
保護者の方にできるサポートとしては、句法の例文を一緒に音読したり、日々の学習スケジュールに組み込む習慣づけが効果的です。1日1句法ずつでも、2週間で基礎句法は制覇できます。


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