高校の国語には、「現代文」と「古文」があります。同じ「日本語」ではありますが、この2つの科目の性質はまったく異なります。その違いを意識せずに、現代文と同じ読み方で古文を読もうとすると、内容がまったく頭に入らず、点数も伸びません。
この記事では、古文と現代文の違いを明確にしながら、古文で得点を上げるための読み方や勉強法を解説します。特に、高校受験・大学受験を控えた受験生とその保護者の方に向けて、実践的なアドバイスをお届けします。
古文と現代文は「言語」が違うと考えよう
まず最初に意識しておきたいのは、古文と現代文は「同じ日本語だから似たように読める」という発想を捨てることです。古文は「古い日本語」であり、単語の意味や文法、語順、表現方法が大きく異なります。これはまるで、英語と日本語の違いとまでは言わないまでも、少なくとも「別の言語」として接したほうが、理解が早くなります。
例えば、「あはれ」という単語は、現代語では「哀れ」と書いて「かわいそう」という印象がありますが、古文では「しみじみとした感動・情趣」を表す非常に多義的な語です。このように、現代の感覚で読むと誤読してしまう語句が古文にはたくさんあります。
古文と現代文の決定的な違い3つ
1. 単語の意味が違う
古文単語は、現代語とは意味がまったく異なる場合が多くあります。たとえば、「かしこし」は現代語の「かしこい(頭がいい)」とは違い、「恐れ多い」「すばらしい」という意味になります。
そのため、古文を読むうえでまず必要なのは、古文単語の暗記です。これは現代文にはあまり必要ないスキルであり、古文特有の勉強法です。
2. 文法・活用が違う
古文には古典文法という独自のルールがあります。助動詞や助詞の使い方、活用形、尊敬・謙譲の敬語表現など、現代文とは別体系で覚える必要があります。
たとえば、「けり」という助動詞には「過去」と「詠嘆」の意味がありますが、文脈によって判断しなければなりません。この文法の仕組みを知らずに現代文的な感覚で読むと、正しい意味を読み取ることができません。
3. 背景知識の重要性が大きい
古文は平安時代や鎌倉時代の貴族社会や寺院文化など、現代とは全く違う常識を背景に書かれています。そのため、当時の生活習慣や価値観を理解していないと、登場人物の行動が意味不明に見えることがあります。
たとえば、「女が男を待ち続ける」「身分によって結婚できない」など、現代では通じにくいストーリー展開がよくあります。こうした背景知識を「古文常識」として事前に頭に入れておくことで、本文の理解度が一気に上がります。
古文で得点を上げるための3ステップ
ステップ1:単語と文法を先に固める
現代文では「読みながら考える」ことが重要ですが、古文では**「読む前に知識で武装する」ことが先決**です。古文単語帳や文法の問題集を使って、基礎知識を短期間でインプットしましょう。
おすすめの学習順序は以下の通りです。
-
よく出る古文単語300語程度を暗記
-
助動詞の意味と接続、活用形をマスター
-
敬語のパターン(尊敬・謙譲・丁寧)を理解
この3つを押さえるだけで、文章の意味が格段に読みやすくなります。
ステップ2:文構造をとらえて読む
古文は文法で読む科目です。現代文のように「感覚で読めばわかる」というものではありません。助詞・助動詞の識別をしながら、主語が誰なのか、述語がどれなのかを意識して読みましょう。
とくに重要なのが、「主語の省略」に注意することです。古文では同じ人物の動作が続くと主語が省略されがちです。逆に主語が変わる場合は、敬語や語り手の描写から読み取る必要があります。
また、「之」「其」「夫」などの指示語が何を指しているのかをしっかり把握することで、文章の流れが追いやすくなります。
ステップ3:音読と現代語訳の練習
古文の文章は、意味のまとまりが分かりにくいことが多いですが、声に出して読むことで文の切れ目やリズムが見えてきます。特に、係り結びなどの文法事項は音読で体に覚えさせるのが効果的です。
また、文章全体を「ざっくり現代語訳」する練習をするのもおすすめです。いきなりすべてを精密に訳す必要はありません。「この段落では、女が男を待っている」といったざっくりとした内容把握を繰り返すことで、設問の正解にたどりつける読解力が身についていきます。
古文は「読解」ではなく「解読」である
現代文は「文章を読みながら考える力」を問われるのに対し、古文は「知識をもとに解読する力」が問われる教科です。これは数学で言えば、応用問題(現代文)と公式暗記型の問題(古文)の違いに近いともいえます。
つまり、古文で高得点を取るためには、感性よりも知識・暗記がモノをいうのです。この点を誤解していると、「現代文はできるのに古文は苦手…」という壁にぶつかります。
保護者の方へ:古文は努力が得点に直結する科目です
古文は、現代文に比べて「努力と得点の関係がわかりやすい」教科です。つまり、勉強すればするほど点が取りやすいということです。暗記中心で、やるべき内容も比較的シンプルなので、計画的に取り組めば成績は確実に伸びます。
保護者の方には、ぜひお子さんが「古文はセンスじゃない、知識で勝負できる科目なんだ」と気づけるようサポートしてあげてください。定期的な確認テストや復習を促すことも、非常に効果的です。
まとめ:古文を「別の言語」として攻略せよ
古文で得点を伸ばすカギは、「現代文とは違う」という前提を正しく理解し、語彙・文法・背景知識の3つを土台に読み進めることです。古文は、知識を積み重ねれば確実に読めるようになります。
現代文と同じ感覚で読んでいては、いつまでたっても点数は上がりません。逆に、古文の構造に慣れ、読み方を変えれば、得点は短期間でも大きく伸びます。
ぜひこの記事を参考に、古文攻略への一歩を踏み出してみてください。


コメント