【漢文】漢文のレ点・一二点を理解するための実践講座

古文・漢文の勉強法

漢文を学ぶ高校生が最初につまずきやすいポイントのひとつが、「レ点」や「一二点」といった訓読記号の読み方です。文法も単語もある程度覚えたのに、「書き下し文に直せない」「読解の流れがつかめない」と感じる生徒の多くは、漢文の語順を正しく読み解くための「訓点」への理解が不十分なことが原因になっています。

漢文はもともと中国語なので、日本語と語順が大きく異なります。それを日本語として自然な順序で読めるようにするために、古来から使われてきたのが「返り点」や「送り仮名」です。これらをマスターすれば、文章構造が明快になり、読解・設問対応・書き下し文作成すべてにおいて大きな力を発揮します。

この記事では、「レ点」「一二点」「上下点」などの訓点の読み方とその働きについて、例文とともにわかりやすく解説していきます。高校漢文の学習における基礎力の強化として、ぜひ参考にしてください。


■ 訓点とは何か?:漢文を日本語で読むための道しるべ

漢文は、漢字ばかりで構成された中国語の文章です。そのまま読むと、語順が日本語とは大きく違うため、意味を正しく理解するのが困難です。そこで、日本語の語順に直して読むための目印として、文中に記号を加えていきます。それが「訓点(くんてん)」です。

主な訓点には以下の種類があります。

訓点の種類 働き
レ点 為レ人 下から上に返って読む
一二点 忠一臣二為三 読む順番を示す
上下点 何上哉下 上下の関係を示す
送り仮名 為ス、行フ 動詞や形容詞の活用に対応

特にレ点・一二点は返り読みの基本中の基本です。読みの順序を見抜くことで、正確に意味を捉え、設問への対応力も高められます。


■ レ点の読み方:最も基本的な「返り読み」の記号

レ点は、漢字の右下に小さく「レ」と書かれている記号です。この「レ点」がついている漢字は、「直前の漢字の後に読まれる」ことを示します。

● 例文で確認

人之レ為ニ学ブハ

この文の語順は中国語風で、
「人 学 ブ は 之 為 ニ」
という並びになっています。

レ点が「為」に付いているので、「之 ⇒ 為」と読んで戻る必要があります。

【書き下し文】
→ 人のために学ぶは

このように、「レ点があると、1文字下にある語が、1文字上の語の“あと”に読む」ことを意味します。返り読みのスタート地点として、このルールは必ず押さえましょう。


■ 一二点の読み方:レ点より複雑な順番を示す記号

一二点は、漢字の右肩に「一」「二」などの数字をふることで、読むべき順番を指定します。

● 基本ルール

  • 「一」は最初に読む

  • 「二」は「一」のあとに読む

  • 数字が大きくなるにつれて後に読む

  • 返り点がある場合は、「レ点→一二点」の順に組み合わせて読む

● 例文で確認

忠一臣二為三国

この文における返り点は次の通り:

  • 「忠」に一、「臣」に二、「為」に三

この場合の読む順番は:

【書き下し文】
→ 忠なる臣、国のためにす

このように、一二三点を使うことで、3語以上の語順を整えることが可能になります


■ レ点と一二点の組み合わせに注意!

レ点と一二点は組み合わされることも多く、特に以下のような文では読解の正確性が試されます。

● 例文:

学一而二時三習レ之

この文の訓点を読み解くと、

  1. 一:学ぶ

  2. 二:時に

  3. 三:習ふ

  4. レ点:之(これ)を ← 習ふ

【書き下し文】
→ 学びて時にこれを習ふ

訓点をもとに順序を整理すれば、原文の混乱した語順がスッキリ整理され、日本語として自然な書き下し文に変換できます。


■ 上下点:対句や疑問文に登場

上下点は、「上」「下」と書いて、意味的な対応関係を示す記号です。たとえば、疑問文で「何ぞ~や」「いづくんぞ~せんや」などと訳すときによく登場します。

● 例文:

何上哉下

この場合、「何〜や」と訳す疑問文の構造となります。

【書き下し文】
→ 何ぞ〜や

上下点はそれほど頻出ではありませんが、詩や対句の整った文章でしばしば見かけるため、「何上哉下」は疑問文の目印として覚えておくと便利です。


■ 実践で訓点を読み解く力をつけるコツ

訓点の知識を覚えるだけでなく、「実際の文章で使えるようにする」ことが得点アップには不可欠です。以下のような勉強法を試してみてください。

① 返り読みノートを作る

授業や参考書で出てきた例文を使って、以下のような形式で整理します。

  • 原文:漢字+訓点

  • 書き下し文

  • 訓点の読み方の解説(例:「レ点だから1つ戻る」「一→二の順で読む」など)

ノートを作ることで、反復練習+理解の定着が期待できます。

② 書き下し文→訓点つき原文に戻す練習

書き下し文が与えられたときに、それに合うように漢字の語順と訓点を逆算して考える練習をすると、理解が一段と深まります。

③ 句法と組み合わせて学習する

訓点の理解は、否定や疑問、受け身などの句法とセットで使われることが多いです。たとえば:

  • 「不レ能」→ 能ふことあたはず(可能の否定)

  • 「無レA不レB」→ AとしてBせざるはなし(すべて〜する)

こうした複数の語に訓点が振られたパターンを覚えることで、読解と設問対応のスピードが格段に向上します。


■ まとめ:訓点を制す者は、漢文を制す!

漢文の読解力を伸ばすうえで、「返り点(レ点)」「一二点」などの訓点の理解は欠かせません。正しい語順で書き下し文を作れなければ、内容理解も設問解答もおぼつかないからです。

  • レ点:「下から上へ返る」

  • 一二点:「読む順番を数字で示す」

  • 上下点:「対句や疑問文の構造を示す」

こうした基本ルールを、例文とともに繰り返し練習しながら身につけていけば、漢文は確実に得点源になります。

共通テストや難関私大でも、漢文は短い出題量で高得点を狙える科目です。訓点の使い方をマスターして、スピードと正確さを両立した漢文読解を目指しましょう。

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