小論文に取り組むとき、文章構成や語彙力に目が行きがちですが、もう一つ重要な要素が「集中力」です。特に800字〜1200字といった長文小論文では、思考を一貫させながら書き続ける集中力が求められます。しかし実際には、「途中で何を書いているかわからなくなる」「最後まで集中力がもたない」「書きながら疲れてくる」といった悩みを持つ受験生も少なくありません。
長文小論文は、文章力だけでなく、考え続ける力、書き続ける力、そして集中し続ける力の総合戦です。この記事では、そんな集中力を効果的に鍛え、小論文で安定して得点できる状態にするための具体的な方法を紹介します。
■ なぜ小論文で集中力が必要なのか?
まず、小論文において「集中力」がなぜ大切なのかを明らかにしておきましょう。
小論文は、設問文を読み、問いに答える形で自分の意見をまとめていく記述式試験です。現代文のように選択肢があるわけではなく、自分の思考を自分の言葉で文章に変換し続ける必要があります。
これはつまり、「思考の持続」と「文章化の持続」が同時に求められているということ。途中で気が散ったり、別のことを考えてしまうと、論理がズレたり、文末がぶれたりします。とくに長文では、序論・本論・結論の一貫性を保つために、頭の中で常に全体像を保ったまま書き続ける必要があり、それを支えるのが集中力なのです。
■ 小論文で集中が切れる3つの原因
小論文が苦手な生徒に話を聞くと、集中力の途切れ方には共通点があります。主に次の3つが原因です。
① 書く前の「設計」が甘い
構成が曖昧なまま書き始めると、「何を書けばいいのか」が途中でわからなくなり、考えることと書くことのバランスが崩れます。結果として手が止まり、集中も切れてしまいます。
② 書く体力が不足している
普段から800字を一気に書く訓練をしていないと、途中で疲れてしまうのも当然です。これはスポーツにおける持久力と似ています。
③ 環境や時間の管理ができていない
スマホや通知の多い環境で勉強していれば、注意が逸れるのは当たり前です。また、「時間内に終わらせる」意識がなければ、ダラダラ書いて集中も途切れてしまいます。
■ 集中力を鍛える5つの具体的トレーニング法
集中力は、才能ではなく習慣です。日々の勉強の中で次のような工夫を取り入れていくことで、小論文を書く力とともに集中力も育ちます。
① まずは「15分集中」から始める
長時間一気に書くのが苦手な人は、まず「15分集中して手を止めずに書く」練習からスタートしましょう。
たとえば、「最近の社会問題についての自分の意見を、15分間とにかく手を止めずに書き続ける」。これだけでも、思考と表現の持続力が少しずつ鍛えられます。
→ 目標:手を止めないこと。質は後回しでOK。
② 書く前に「構成メモ」を作る
集中を切らさずに書き続けるには、構成の設計が不可欠です。書く前に5分〜10分かけて、「序論」「本論(理由2つ)」「結論」のメモを箇条書きで作りましょう。
このメモがあることで、書いている途中で思考が散らばることがなくなり、集中力を持続させやすくなります。
→ 設計がしっかりしていれば、書く作業は“流れ作業”に近づく。
③ タイマー勉強法で集中の区切りを作る
「25分書いて5分休む」など、ポモドーロ・テクニックを応用した時間管理も効果的です。特に自宅での学習では、時間にメリハリをつけることで集中力が維持しやすくなります。
→ タイマーで時間を意識することで、意欲と集中の持続が可能に。
④ スマホや通知を“物理的に”遠ざける
集中力の最大の敵は「目の前にあるスマホ」。電源を切るだけでなく、別室に置く/ロッカーに入れる/家族に預けるなど、物理的にアクセスできない状態にするのが最も効果的です。
→ 誘惑のない環境は、最強の集中力を生む。
⑤ 「書き切る快感」を味わう練習を積む
最後まで書き切る経験そのものが、集中力の源になります。最初は300字、次に600字、最終的に800字と、段階的に目標を伸ばしていくのがおすすめです。
書き終わった原稿用紙を眺めて、「自分にも書けた」という成功体験を積むことで、次への集中も高まりやすくなります。
→ 「できた」「書けた」という実感が集中の源になる。
■ 集中力を邪魔しない「書くための習慣づくり」
集中力は、一夜で身につくものではありません。日々の勉強において「書く」「考える」「環境を整える」といった行動を習慣化することが何より重要です。以下は特に効果のある習慣です。
● 毎日同じ時間に「書く時間」をつくる
→ 書くことがルーティンになると、集中までの時間が短縮されます。
● 「静かな環境」を見つけておく
→ 図書館、自習室、午前中の自室など、自分が最も集中できる場所を意識的に使いましょう。
● 書いたものを振り返って、「改善点をメモ」
→ 振り返りは「次はもっと集中して書こう」という意識づけに繋がります。
■ 保護者の方にできるサポートとは?
お子様が集中して勉強できる環境を整えるために、保護者の方にできる支援もあります。
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スマホを預かるなどの“環境づくり”
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毎日の学習時間を家族で共有し、見守る
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書いた小論文に「読んだよ」と声をかける
これらは、成績以上に「学習習慣」「自信」「集中力」の土台を育てる行動です。長文を書く力は、一朝一夕では身につきません。だからこそ、日々の声かけや見守りが、生徒の集中力を高める支えになります。
■ まとめ:集中力は“書いて鍛える”もの
小論文を書くうえで集中力は欠かせない要素です。特に800字を超える長文では、論理の流れを途切れさせずに書き切るために、考え続ける・書き続ける・整え続けるという集中の持続が求められます。
その力を育てるには、
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構成メモで設計を固める
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15分書き切り練習から始める
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タイマーや静かな環境を活用する
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「書けた」体験を積み上げる
といった実践的なトレーニングを、日々の学習に取り入れていくことが必要です。
集中力は特別な才能ではありません。**書きながら鍛える“技術”です。**まずは今日、スマホを遠ざけて15分だけ、思考を止めずに書いてみることから始めてみてください。その一歩が、長文を集中して書ける自分への第一歩になります。


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