【漢文】漢文の白文を自分で訳すための練習方法

古文・漢文の勉強法

漢文の定期テストや入試問題で高得点を取るためには、書き下し文や現代語訳に頼らず、白文(返り点や送り仮名のない漢字だけの原文)から自分で訳す力をつけることが不可欠です。
白文を読めるようになると、試験で初見の文章が出ても落ち着いて対応できるようになります。

しかし、白文は現代の日本語の語順や表現と大きく異なり、最初は「どこから手をつけていいのか分からない」と感じる人が多いです。
この記事では、白文をスムーズに訳すための手順と日常的な練習方法を具体的に解説します。


1. 白文を読む力が入試で有利な理由

  1. 初見問題への対応力が高まる
    センター試験(共通テスト)や難関校の入試では、白文に近い形で出題されることが多いです。
    書き下し文に慣れすぎると、返り点や送り仮名がない文章を見たときに混乱します。

  2. スピードが上がる
    返り点や書き下し文を経由せずに、直接現代語訳を組み立てられるため、問題を解く時間に余裕ができます。

  3. 漢文の本質的理解につながる
    白文は漢文の原形。そこから意味を組み立てる過程で、語順や構文の理解が深まります。


2. 白文を訳すための3つの基礎力

白文をスムーズに訳すためには、次の3つの基礎力が必要です。

① 句形の知識

「〜不〜」「〜乎」「〜也」など、意味を決定づける漢文特有の句形を覚えることが第一歩です。
句形は英文法における文法ルールのようなもので、知らないと訳が成り立ちません。

頻出句形例

  • 使役:「令A〜(Aに〜させる)」

  • 受身:「見〜(〜される)」

  • 疑問:「何如(いかん)」「何為(なんすれぞ)」

  • 否定:「不(〜ず)」「無(〜なし)」


② 語彙力

語彙が少ないと、せっかく句形を覚えても意味が組み立てられません。
漢文の基本語彙は300〜400語程度なので、コツコツ覚えれば数ヶ月で習得可能です。

例:

  • 「将(まさに〜せんとす)」

  • 「且(まさに〜せんとす/かつ)」

  • 「者(〜は)」


③ 語順変換力(返り点なしで読む力)

漢文は原則として主語→修飾語→述語→目的語の順ですが、日本語訳にする際は語順を変える必要があります。
白文から書き下し文に変換する訓練を積むと、自然に語順変換ができるようになります。


3. 白文訳の基本手順

白文を訳すときは、次の手順を踏むとミスが減ります。


ステップ1:主語・述語を見つける

まずは文章の骨格を見抜きます。
漢文では主語が省略されることが多いですが、述語(動詞・形容詞)を探せば主語が見えてきます。

例:

孔子曰 学而時習之 不亦説乎
動詞:「曰(いわく)」「習(ならう)」「説(よろこぶ)」
→ 主語は孔子、述語は「曰」「習」「説」。


ステップ2:句形をチェック

句形に当たる部分をマーキングします。
「不亦〜乎」は反語で「〜ではないか、いや〜だ」。


ステップ3:修飾語を整理

句形と述語の位置を確認しながら、修飾関係を整理します。
例の文では「学而時習之」が「説」にかかる内容です。


ステップ4:日本語語順に並べ替え

最後に日本語として自然な順番に直します。
例:

孔子曰、「学びて時にこれを習う。亦説(よろこ)ばしからずや。」


4. 練習方法

方法① 毎日1文白文訳

  • 問題集や参考書から短い白文を1つ選び、ノートに現代語訳まで書く

  • 最初は返り点や書き下し文のページも見ながら進めてOK

  • 翌日同じ文を見返し、返り点なしで訳せるか確認


方法② 句形カード作成

  • 表に白文・裏に意味を書いたカードを作る

  • 隙間時間にめくって反射的に意味が出てくるようにする

  • スマホアプリの単語カード機能を使うのもおすすめ


方法③ 読み下し省略法

  • 普通は白文→書き下し→現代語訳と進むが、書き下し文を飛ばして現代語訳に直行

  • これにより、入試本番に近い思考回路が鍛えられる


方法④ 音読練習

  • 白文を返り点なしで音読しながら意味をイメージ

  • 日本語と同時通訳のように訳を頭の中で再生

  • 脳内の処理速度が上がる


5. 実践問題

短い白文で練習してみましょう。


問1

学而不思則罔 思而不学則殆

① 主語・述語を特定
② 句形を確認
③ 現代語訳を作成

解答例
① 主語省略(一般論)/述語=罔(くらし)、殆(あやうし)
② 否定形「不〜」
③ 学んでも考えなければ道に迷い、考えても学ばなければ危うい。


問2

人無遠慮 必有近憂

① 無〜(〜なし)、必有(必ず〜あり)
② 遠慮のない人は、必ず近い将来に心配事がある。


6. 保護者ができるサポート

  • 子どもが使っている漢文の問題集や教科書を一緒に見て、句形や重要語彙の暗記をクイズ形式で出す

  • 漢文が苦手でも「短文訳ゲーム」のようにして楽しむ

  • 漢文は毎日5〜10分でも触れると定着しやすいので、学習の習慣化を応援する


7. まとめ

白文を訳す力は、一朝一夕では身につきません。
しかし、次の3つを日々の学習に取り入れれば、確実に力がつきます。

  1. 句形と基本語彙の暗記

  2. 主語・述語・修飾関係を意識した訳出

  3. 書き下しを経由しない白文直訳練習

白文から訳す練習を積んだ受験生は、入試本番でも初見の文章に動じません。
今日から「1日1白文」習慣を始め、漢文を得点源にしましょう。

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