小論文は、大学入試や高校入試において受験生の「考える力」と「表現する力」を直接評価する科目です。知識をただ暗記して答える試験と違い、自分の考えを筋道立てて書く必要があるため、多くの受験生が苦手意識を抱えています。
実際、小論文を練習していても「自分ではよく書けたと思ったのに、先生に添削されると赤字だらけ」「何をどう直せばよいのか分からない」という悩みは非常に多いです。
そこで重要になるのが フィードバック です。
ただ書き続けるだけでは同じミスを繰り返してしまいますが、効果的なフィードバックを受ければ、短期間で飛躍的に力を伸ばすことが可能です。
この記事では、小論文の書き方を改善するためのフィードバック法について、受験生とその保護者の方に分かりやすく解説していきます。
1.なぜ小論文にはフィードバックが不可欠なのか
小論文学習の特徴は「自分では気づけない弱点が多い」という点にあります。
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内容の問題:「論点がずれている」「主張が弱い」
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構成の問題:「序論・本論・結論の流れが不明確」
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表現の問題:「文が長すぎる」「語彙が乏しい」「曖昧な言い回し」
これらは、自分で読み返しても気づきにくいミスです。例えば本人は「環境問題について書けた」と思っていても、読み手から見ると「テーマから外れた感想文」になっていることがあります。
したがって、小論文の上達には必ず 第三者からのフィードバック が必要です。特に入試では限られた文字数の中で論理的に主張することが求められるため、客観的な視点を取り入れることが合格への近道となります。
2.効果的なフィードバックのステップ
ステップ1:まず「良い点」を確認する
添削というと、どうしても赤ペンで間違いを指摘するイメージがありますが、最初に「できている部分」を認めることが重要です。
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主張がはっきり書けている
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結論が一文で分かりやすい
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具体例が適切に選ばれている
こうした「強み」を明確にすることで、生徒は「改善すればもっと良くなる」という前向きな気持ちになれます。
ステップ2:改善点を「具体的に」指摘する
次に、改善が必要な点をできるだけ具体的に伝えます。
NG例:「論点がずれている」
OK例:「テーマは『高齢化社会』だが、本文の中心が『医療費の増加』に偏っている。→テーマ全体を見渡し、他の視点(介護・労働力不足)も触れるとよりバランスが取れる」
具体的に言われることで、生徒は次に何を直せばよいのか分かります。
ステップ3:「改善方法」を提示する
指摘だけで終わると「どうすればいいの?」と戸惑います。必ず「直し方」をセットで伝えます。
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「文が長すぎる」→「一文を40字以内に区切ろう」
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「抽象的」→「数字や具体例を入れると説得力が増す」
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「主張が弱い」→「結論部分で『私は〜と考える』と明示しよう」
改善方法まで示されることで、生徒はすぐに行動に移せます。
ステップ4:書き直しをさせる
フィードバックを受けたら、そのままにせず「書き直し」を行うのが必須です。1回の修正でも格段に質が向上します。さらに、同じテーマをもう一度書くことで「自分の成長」を実感できます。
3.家庭でできるフィードバック法
保護者の方が添削者になる場合も、ちょっとした工夫で効果的なフィードバックが可能です。
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読み手の立場で感想を伝える
「この意見は分かりやすかった」「ここは何を言いたいのか伝わりにくかった」と、一般的な読者の立場で感想を伝えるだけでも改善のヒントになります。 -
キーワードをチェックする
テーマに関連する重要語(例:少子高齢化なら「人口」「労働力」「年金」など)が入っているか確認する。 -
文字数と段落数を確認する
「600字なら序論・本論・結論で各200字前後」といった基本的な配分ができているかを見る。
専門的な知識がなくても、この程度の確認で十分有効なフィードバックになります。
4.効率的に力を伸ばすための工夫
(1)同じテーマを繰り返す
一度書いて終わりではなく、同じテーマを2回、3回と書き直すことで確実に成長できます。「最初は400字しか書けなかったけど、次は600字埋められた」という経験は大きな自信になります。
(2)模範解答と比較する
学校や参考書の模範解答を読み、自分の答案と比較してみましょう。論理の流れや具体例の選び方の違いに気づけます。
(3)録音・読み上げで確認する
自分の文章を声に出して読むと、「文が長すぎて分かりにくい」「同じ表現が繰り返されている」といった弱点が浮き彫りになります。
5.小論文指導における家庭教師の役割
小論文は独学が難しい科目です。理由はシンプルで、「自分では欠点に気づけない」からです。
家庭教師が指導に入ると、
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個々の答案に応じて具体的な改善点を提示できる
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志望校の過去問傾向に合わせたフィードバックができる
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書き直しを繰り返す中で、成長を一緒に確認できる
といったメリットがあります。学校の授業だけでは一人ひとりに十分な時間を割けませんが、家庭教師なら短期間で効率的に実力を伸ばせます。
まとめ
小論文の力を伸ばすには「ただ書く」だけでは不十分で、必ず フィードバック → 改善 → 書き直し のサイクルが必要です。
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まず良い点を認める
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改善点を具体的に指摘する
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改善方法を提示する
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書き直しを行う
この流れを繰り返すことで、確実に小論文は上達していきます。
受験において小論文は「逆転のチャンス」となる科目です。しっかりしたフィードバックを受けながら練習を重ねることで、お子さんの考える力と表現力は大きく伸びていきます。


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