古文の勉強をしていて、多くの高校生が抱える悩みは「読むのが遅い」ということです。
現代文なら感覚で読めても、古文になると一文ごとに辞書を引き、意味を確認しながら進むため、なかなか文章全体の流れがつかめません。
しかし、古文にはある種の「決まった型」や「パターン」が存在します。文章の展開や登場人物の役割、よく使われる表現などには一定の規則性があり、それを理解することで読むスピードを一気に上げることが可能です。
今回は、古文の文章パターンを理解し、速く読むための具体的な方法を解説します。
1.なぜ古文は「遅く」読んでしまうのか?
まず、古文が現代文と比べて読みにくい理由を整理してみましょう。
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語彙がわからない:古語の意味を辞書で調べないといけない。
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文法が複雑に感じる:助動詞や係り結びが多く、構造をつかみにくい。
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文章の流れをつかめない:登場人物や場面が変わるたびに混乱する。
この中で特に大きいのは「流れをつかめない」という問題です。古文は一定のパターンで物語や文章が進むことが多く、それを知らないと「毎回ゼロから解読」するような読み方になり、時間がかかってしまいます。
2.古文における「典型的な文章パターン」
古文にはよくある展開や定番の表現があります。これを知っていると、読む前からおおよその筋が予測できるのです。
(1)物語文の典型パターン
古文の物語(『源氏物語』『伊勢物語』など)では、次のような流れが多いです。
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人物紹介・状況説明:「昔、〜なる人ありけり」など。
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出来事の発生:出会い、恋の始まり、旅立ち、試験など。
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トラブルや障害:身分差、親の反対、病、遠距離など。
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感情の吐露:和歌を詠む場面。
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結末:成就する/悲恋に終わる。
つまり、「出会い→障害→和歌→結末」という型を覚えておくと、筋を追いやすくなります。
(2)随筆・日記文の典型パターン
『枕草子』や『土佐日記』などは、以下のようなパターンが多いです。
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季節や自然の描写
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日常のちょっとした出来事
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作者の感想や風刺
「情景描写→出来事→感想」という流れを押さえておくと、内容を整理しやすくなります。
(3)説話・仏教系文章の典型パターン
『今昔物語』『発心集』などは、説話の形を取ることが多く、基本は以下の型です。
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人物・状況の紹介
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行動(善行または悪行)
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結果(成功・失敗・天罰・奇跡)
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教訓
「因果応報」のパターンなので、展開を予測しながら読むことができます。
3.古文を速く読むための3つのステップ
では、実際にどのようにすれば速く読めるのかを具体的に見ていきましょう。
ステップ1:文法・単語を「型」として覚える
文法や単語をバラバラに暗記すると遅くなります。
例えば助動詞「けり」なら、
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過去:「〜た」
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詠嘆:「〜だなあ」
と、出てきたときに「この2パターンしかない」と理解しておけば、迷う時間が減ります。
単語も「暗記カードで1語ずつ覚える」のではなく、物語の流れの中で使われやすい意味を中心に押さえるのが効率的です。
ステップ2:文章パターンを意識して読む
文章を読むとき、「これは物語だから『出会い→障害→和歌→結末』だな」と予測しながら読むと、内容を素早く把握できます。
たとえば問題文の冒頭が「昔、男ありけり」と始まったら、すぐに「恋物語の始まりだな」と構えられるのです。
ステップ3:和歌が出てきたら要注意
古文に頻出する「和歌」は、物語のクライマックスであり、登場人物の感情を凝縮しています。
和歌を読むときは、
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誰が誰に向けて詠んだか
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その感情は「喜び」か「悲しみ」か
を押さえるだけで、物語全体の理解が一気に進みます。
4.速読力を養う具体的トレーニング
(1)音読練習
古文はもともと「声に出して読まれるもの」。音読することでリズムがつかめ、文章の切れ目が自然と見えるようになります。
(2)段落ごとに要約
本文を読んだら、段落ごとに一文で要約してみましょう。
「登場人物が登場」「恋心を抱く」「親に反対される」など、流れを短く整理する練習が速読につながります。
(3)文章ジャンルごとに読む練習
物語文・随筆文・説話文などジャンル別にまとめて読むと、それぞれの典型パターンが自然に身につきます。
5.保護者ができるサポート
古文に苦手意識を持つ高校生は多いですが、保護者ができるサポートもあります。
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勉強時間を確保してあげる
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模試や定期テストの古文を一緒に見て「どういう内容だったの?」と聞いてあげる
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本人が要約した内容を「なるほどね」と聞いてあげる
専門的な知識がなくても「話を聞く」ことで、子どもが内容を整理できるのです。
まとめ
古文を速く読むためには、辞書に頼らず「文章のパターン」を理解することがカギです。
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物語文は「出会い→障害→和歌→結末」
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随筆文は「情景→出来事→感想」
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説話文は「行動→結果→教訓」
このような型を意識しながら読むと、全体の流れが予測でき、読むスピードと理解力が同時に伸びます。
勉強法は、
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文法・単語を型として覚える
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パターンを意識して読む
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和歌に注目する
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音読と要約で練習する
この4つを習慣にすれば、古文が「時間のかかる科目」から「得点源」へと変わっていくでしょう。


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