【小論文】論理的思考を鍛えるためのトレーニング方法

小論文の書き方

小論文において最も大切なのは「論理的に書けているかどうか」です。どれだけ知識を持っていても、文章が感覚的で支離滅裂なら評価されません。逆に、難しい専門知識がなくても、筋道立ててわかりやすく書ける受験生は高く評価されます。

しかし、多くの高校生が小論文に苦手意識を抱く理由は、「論理的思考をどう鍛えればいいのかわからない」からです。学校の国語の授業では論理展開の仕方を体系的に学ぶ機会が少なく、結局「なんとなく」で書いてしまうことが多いのです。

そこで今回は、小論文の力を伸ばすために必要な「論理的思考を鍛えるトレーニング方法」を具体的に紹介します。


1.論理的思考とは何か?

まず「論理的思考」とは何かを押さえておきましょう。

論理的思考とは、

  • 前提(根拠)から結論を導き出す筋道が明確であること

  • 矛盾や飛躍がなく、一貫性があること

を指します。

小論文で求められるのは「説得力のある文章」です。
つまり、読み手(採点者)が「なるほど、確かにそうだ」と納得できる筋道を立てる力が論理的思考なのです。


2.論理的思考が不足しているとどうなるか?

小論文でよくある失敗例を見てみましょう。

  • 結論があいまい:「環境問題は大切です。私たちも考えるべきです。」→何をどうすべきかが不明。

  • 根拠がない:「日本の教育制度は良くないと思います。」→なぜそう思うのか説明がなく、説得力がない。

  • 飛躍がある:「IT技術は進化しています。だからこそ人間は心を大切にすべきです。」→前提と結論がつながっていない。

このような文章は「読みにくい」「浅い」と評価されてしまいます。
つまり論理的思考が欠けると、小論文はただの感想文になってしまうのです。


3.論理的思考を鍛えるための基本原則

論理的思考を身につけるうえで重要なのは次の3つです。

  1. 主張(結論)を先に示すこと

  2. 根拠を明確に示すこと

  3. 例を挙げて説得力を補強すること

この3点を守るだけで文章は一気に読みやすくなります。

例えば、先ほどの「環境問題」の例をこの3原則に沿って書き直すと、

  • 結論:「環境問題に対しては、一人ひとりが行動を起こすべきである。」

  • 根拠:「地球温暖化は個人の生活習慣に大きく起因しているから。」

  • :「例えば、節電やリサイクルを行うだけでもCO₂排出量を減らすことができる。」

となり、明確で説得力のある文章に変わります。


4.論理的思考を鍛えるトレーニング方法

では実際に、論理的思考を強化するトレーニングを紹介します。

(1)「結論→理由→具体例」を意識して書く練習

最もシンプルで効果的なのが、**「結論→理由→具体例」**の型に沿って書くことです。

  • 【問い】学校に制服は必要か?

  • 【結論】制服は必要である。

  • 【理由】経済的負担を減らし、生活の平等を保つ効果があるからだ。

  • 【具体例】例えば私服登校の場合、家庭の経済格差が服装に現れやすく、いじめの原因にもなりうる。

このように一問一答形式で毎日5分でも練習すると、自然に論理的に書けるようになります。


(2)「なぜ?」を3回繰り返す

自分の意見に対して「なぜそう思うの?」を3回繰り返して考える練習です。
例えば「スマホの使用時間は制限すべきだ」という意見を考えてみます。

  1. なぜ? → 勉強の時間が減るから。

  2. なぜ? → 集中力が途切れやすく、成績低下につながるから。

  3. なぜ? → 学習時間の量と質が学力に直結するから。

こうして深掘りすることで、表面的な意見ではなく説得力のある理由が生まれます。


(3)新聞記事を要約する

論理的思考を鍛えるには、良質な文章の「構造」を学ぶことが近道です。新聞記事(特に社説や解説記事)を読んで、

  • 筆者の主張は何か?

  • 根拠は何か?

  • 具体例は何か?

を3行でまとめる練習をしてみましょう。
これは「情報を整理する力」を鍛えるのに効果的です。


(4)ディベート的思考をする

小論文では「賛成・反対」を問われることが多いので、両方の立場を考える練習が役立ちます。

例:「大学入学共通テストを廃止すべきか?」

  • 【賛成側】一度の試験で人生が決まるのは不公平。多面的な評価が必要。

  • 【反対側】全国規模で公平に学力を測定できる唯一の方法。

両方の意見を考えることで、自分の立場を強めるだけでなく、反対意見への反論材料も準備できます。


(5)日常生活で「理由づけ」を意識する

普段の会話でも「なぜ?」を意識してみましょう。

  • 「今日、この本を読もうと思った」
     → なぜ? → レポートに役立ちそうだから。

  • 「このニュースに関心がある」
     → なぜ? → 将来の仕事に関わるかもしれないから。

こうした日常的な理由づけの習慣が、論理的思考の基礎体力を育てます。


5.保護者ができるサポート

小論文の勉強は一人で黙々と取り組むよりも、対話を通して伸びる面が大きいです。保護者の方も次のように関わると効果的です。

  • 子どもの意見を聞いたとき「なるほど。それはなぜ?」と問いかける。

  • ニュースや社会問題について一緒に話し合う。

  • 書いた小論文を読み、「主張・理由・具体例」がそろっているかだけをチェックする。

専門的な添削は先生に任せるとしても、家庭で「論理的に考える習慣」を育むことは十分可能です。


6.まとめ

小論文で評価されるのは、知識の量ではなく「論理的に考え、わかりやすく書ける力」です。

そのためには、

  1. 主張(結論)を明確にする

  2. 根拠をしっかり述べる

  3. 具体例で補強する

この3原則を徹底することが第一歩です。

さらに、

  • 「結論→理由→具体例」で練習する

  • 「なぜ?」を3回繰り返す

  • 新聞記事を要約する

  • 賛成・反対の両立場を考える

  • 日常生活で理由づけを習慣にする

こうしたトレーニングを継続することで、確実に論理的思考は鍛えられます。

論理的に考える力は、小論文だけでなく将来の仕事や日常生活でも大いに役立つスキルです。受験勉強をきっかけに、ぜひ習慣として身につけていきましょう。

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