【古文】古文の登場人物を整理して問題を解くコツ

古文・漢文の勉強法

古文が「なんとなく読めるけれど、設問になると間違える」という悩みを抱える受験生はとても多いものです。その原因の多くは、登場人物の整理が不十分なまま本文を読み進めていることにあります。現代文以上に、古文は「登場人物の関係」や「視点(主語)」の把握が得点のカギを握ります。

物語の中で誰が何をしようとしているのか、誰が誰に対してどう思っているのか——これが曖昧だと読解は必ずふらつきます。逆に、登場人物さえしっかり整理できれば、古文読解の正確さは劇的に上がります。

この記事では、古文初心者から受験生まで使える「登場人物整理のコツ」を、実践的な手順とともに解説します。


■なぜ古文は登場人物整理が重要なのか

古文は現代文と違い、文脈だけで主語が明確に書かれていないケースが多くあります。また、

  • 主語が省略される

  • 時系列が飛ぶ

  • 登場人物が多い

  • 敬語が多用され、誰が誰に敬意を払っているかで関係が変わる

  • 呼び名が複数ある(「宮」「后」「御方」など)

といった特徴があるため、「誰が何をしたか」を常に意識する力が求められます。

古文の採点ポイントは、「内容把握」と「主語判別」がほぼすべてと言えます。
つまり、登場人物整理は古文読解の核となるスキルなのです。


■登場人物整理の基本ステップ

古文の登場人物を整理するために、次の3つのステップを意識してください。

①固有名詞・呼称を本文から拾う

まず、固有名詞・役職・身分を示す言葉が出てきたら必ずチェック。

例)

  • 「帝」「后」「宮」「殿」「大納言」「兵部卿宮」

  • 「男」「女」「母」「叔母」などの親族名

  • 「ありけり」「なりける」など過去の語がついて導入される人物

これらが出てきたら、本文の余白に印をつけておきましょう。

②人物同士の関係を線で結ぶ

人物の関係は、古文のストーリー理解に直結します。

  • 誰が主人公か

  • その人物が慕っている相手は誰か

  • 嫉妬する人物は誰か

  • 親子・主従などの身分関係

文章中の動作を追うと、自然に関係図が見えてきます。
短い作品なら、簡単な人物相関図を書くだけで読解の精度が上がります。

③「だれ視点の描写か」を常に意識する

古文では視点がしばしば移動します。

例)

  • A(主人公)がBの話を聞いている

  • その後、作者がBの心情を語る

  • またAの行動に戻る

視点が変わると主語も変わるため、「今は誰の目線か?」を常に考えながら読みましょう。


■登場人物整理に不可欠な“敬語”の読み取り

主語を判断するときに最も有効な情報が「敬語」です。
敬語がわかると、自然と「誰が誰に対して話しているか」が見えてきます。

●尊敬語 → 動作主が高い身分

例:「おはす」「のたまふ」「給ふ」
→ 皇族・貴族・高貴な女性などが主語になりやすい。

●謙譲語 → 動作主が身分の低い者

例:「参る」「申す」「奉る」
→ 仕える人・侍女・家来などの行動。

●丁寧語 → 話し相手への敬意

例:「侍り」「候ふ」
→ やり取りの相手が判断できる場合が多い。

敬語を読む=主語がわかるということなので、
登場人物整理と敬語理解は常にセットで扱ってください。


■本文を読む際の「登場人物チェックポイント」

古文を読んでいるとき、次の点を意識すると主語が迷わなくなります。

①「動作をしているのは誰か?」

「AがBに言う」「Cが涙を流す」など、主語と目的語を常に意識。
動作動詞を見つけたら、直前や周囲の文章から主語を特定します。

②変化の直前に“主語が変わる”

古文は主語が急に切り替わることがあります。

  • 会話文→地の文

  • Aの行動→Bの心情

  • 作者の説明→登場人物の行動

特に会話文の前後は主語が動きやすいので要注意。

③「~ければ」「~れば」「~に」の前後で視点が動くことが多い

接続助詞がある部分は、主語が変わりやすい箇所です。
原因・条件を述べた後に、別の人物が行動するケースは頻出です。


■実践的な「整理ノート」の作り方

問題演習をしているときに、次のようにノートを整理すると効果的です。

●①登場人物リストを書く

本文を読んで、出てきた人物を全員書き出します。

  • 身分

  • 呼称

  • 関係(親子・恋愛・主従)

  • 性格・心情

必要であれば簡単なメモも添えておくと理解が定着します。

●②本文の構造を3~5段階に分ける

ストーリーを「流れ」でつかむことが重要です。

  • 起(出会い・状況)

  • 承(関係の変化)

  • 転(問題の発生)

  • 結(解決・心情の変化)

この流れがある程度つかめるだけで、設問の正答率は上がります。

●③主語判別を必ず書く

本文の大切な部分には、
「(A)→(B)へ視点移動」
「主語=女」「主語=母」
など、簡単な書込みをして整理すると混乱しません。


■問題演習での登場人物整理の使い方

実際に問題を解くとき、登場人物整理は次のように効果を発揮します。

①記述問題の根拠がクリアになる

古文の記述は、
「誰が」「何を」「どうした」を正確に書くこと
が求められます。
主語を正しく追っていれば、採点者が求める要素を取りこぼしません。

②内容一致問題の迷いが減る

本文での人物の行動や心情を整理できていれば、
設問の選択肢を「誰について書いているか」で判断できます。
紛らわしい選択肢のひっかけにも強くなります。

③現代語訳が正確になる

主語の判別ができれば、文の意味が自然に定まります。
動作主があいまいだと訳文全体が狂うため、主語整理は必須です。


■登場人物整理を習慣化する勉強方法

最後に、普段の学習で登場人物整理を習慣化する方法をまとめます。

①毎回の演習で「人物リスト」を必ず作る

5分ほどでできる作業ですが、読解の精度が大幅に上がります。

②最低1日1問は古文を読み、視点の移動を追う練習をする

短い文章でも主語の変化を追うことは十分可能です。

③敬語の復習を定期的にする

敬語が読めると人物の関係が一瞬でわかるようになります。

④文章の流れ(起承転結)を常に意識する

ストーリー構造を理解することで、登場人物の位置づけが明確になります。


■まとめ

古文の得点力を上げるには、「文法」「単語」だけでなく、
登場人物の整理が最も重要な読解スキルの一つです。

  • 主語が誰か

  • 視点がどこか

  • 敬語の向きはどうか

  • 誰が誰に何をしたのか

これを意識して読むだけで、古文の世界は一気にクリアになります。

丁寧に人物を整理しながら読み進める習慣を身につければ、
記述問題・内容一致問題の得点は安定し、
大学受験レベルの古文でも確実に理解できる力が養われます。

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