【共通テスト現代文】比喩表現の意図を読み取る練習問題の作り方

現代文の勉強法

共通テストの現代文において、多くの受験生を悩ませるのが「比喩表現」の解釈です。

「傍線部にある『砂漠を歩くような感覚』とはどういうことか、次から選びなさい」といった設問に対し、なんとなく選択肢を眺めては「どれも正解に見える」「結局、感性の問題ではないか」と諦めてしまう生徒は少なくありません。

しかし、共通テストはあくまで客観的な論理性を問う試験です。比喩表現の意図を読み解くには、センスではなく「論理的な変換ルール」が存在します。そして、そのルールを完璧にマスターするための最短ルートは、受動的に問題を解くことではなく、「自分で練習問題を作ってみること」です。

問題作成側の視点を持つことで、共通テスト特有の「罠」や「正解の根拠」が手に取るようにわかるようになります。この記事では、忙しい受験生でも今日から実践できる、比喩読解のための自作練習問題の作り方を徹底解説します。


1. なぜ比喩表現は「練習問題」にされやすいのか

そもそも、なぜセンター試験から共通テストに至るまで、比喩表現は頻出なのでしょうか。

それは、比喩が「具体的な事象」と「抽象的な概念」を繋ぐ架け橋だからです。評論の筆者は、読者に伝えにくい高度で抽象的な思想を、誰もがイメージできる具体的な物事に置き換えて説明しようとします。

試験作成者は、その「置き換え」が正しく理解できているかを確認することで、受験生の論理的思考力(=抽象化能力)を測っているのです。したがって、比喩の攻略とは、「具体(比喩)」を「抽象(本質)」へ引き戻す作業に他なりません。


2. 比喩読解を極める「自作問題作成」の4ステップ

それでは、具体的にどのように練習問題を作ればよいのでしょうか。教科書や手元の参考書を使って、以下のステップで進めてみてください。

ステップ1:素材となる「比喩」を抽出する

文章を読み進めながら、「〜のようだ」「あたかも〜のごとし」といった直喩だけでなく、筆者が独自の感性で何かに例えている箇所を見つけ、そこに傍線を引きましょう。

  • 例: 「言葉は刃物である」

  • 例: 「現代社会は、見えない壁に囲まれた巨大な教室のようだ」

ステップ2:比喩の「共通点(特性)」を言語化する

次に、その比喩が持っている「性質」を書き出します。これが、問題の「正解の種」になります。 例えば「刃物」という比喩であれば、その特性は「鋭い」「便利である」「使い方を誤ると相手を傷つける」といった点にあります。

ステップ3:本文から「抽象的な説明」を探し出す

ここが最も重要です。現代文の鉄則として、「比喩の近くには、必ずその説明(本質的な言い換え)がある」というルールがあります。 「言葉は刃物である」という一文の前後を読み、筆者が本当に言いたいこと(例:コミュニケーションには責任が伴う、不用意な発言が他者の尊厳を奪う等)を探し出し、そこに線を引きます。

ステップ4:設問と選択肢を組み立てる

自分に対して、次のような「問い」を立ててみます。

  • 問い: 「傍線部『言葉は刃物である』とはどういうことか。その意図として適切なものを選べ。」

  • 正解の根拠: ステップ3で見つけた「抽象的な説明」をそのまま使います。

  • 誤答の作り方: ステップ2で挙げた特性のうち、本文の文脈に関係ないもの(例:言葉は料理のように生活を彩る、など)を混ぜます。


3. 共通テストの「罠」を再現する:誤答選択肢の作り方

自分で問題を作るとき、あえて「もっともらしい間違い」を作ることで、本番の識別眼が養われます。共通テストによくある誤答パターンを3つ紹介します。

① 「比喩の言葉」をそのまま使ってしまう罠

選択肢の中に、傍線部と同じ言葉(例:刃物、教室)が入っているものは、実は間違いである可能性が高いです。共通テストの正解は、比喩を「別の抽象的な言葉」に言い換えたものになるからです。あえて「刃物の切れ味が鋭いから……」といった、比喩のイメージに引っ張られた誤答を作ってみましょう。

② 因果関係のすり替え

本文にある正しい要素AとBを使っているが、その原因と結果を逆にするパターンです。「言葉が刃物だから傷つく」のではなく「人を傷つける性質があるから、刃物と例えられている」といった論理の向きを意識して問題を作ると、深い読解力が身につきます。

③ 範囲の拡大・限定

本文では「SNS上の言葉」について述べているのに、選択肢では「すべてのコミュニケーション」と範囲を広げすぎるパターンです。この「言い過ぎ」の選択肢を作る練習は、共通テスト対策として非常に有効です。


4. 練習問題作成がもたらす「3つの学習効果」

この学習法は、単に問題を解くよりも数倍の負荷がかかりますが、その分得られるメリットは絶大です。

1. 筆者の「思考のクセ」が見えるようになる

「この筆者は、いつも自然現象に例えて社会を批判するな」といった、筆者の論理展開のパターンに敏感になります。これは、初見の文章を読むスピードを劇的に上げます。

2. 「なんとなく」の読解からの脱却

自分で問題を作るには、本文の隅々まで論理的に把握していなければなりません。「なぜここが正解なのか」を自分に説明する過程で、曖昧な理解が排除されます。

3. 選択肢を疑う力がつく

「この選択肢は、受験生をこうやって騙そうとしているな」という出題者の意図が透けて見えるようになります。2択で迷ったとき、客観的な根拠に基づいて一択に絞り込む自信がつきます。


5. 保護者の方へ:お子様の「論理的思考」を促すサポート

現代文の成績が伸び悩んでいるとき、多くのお子様は「自分の感性が足りないのではないか」と自信を失っています。しかし、共通テストの現代文は、感性ではなく「数学のような論理」で解くものです。

もしお子様が比喩の問題で苦戦していたら、「この『例え』を、普通の言葉(真面目な言葉)で言い換えるとどうなるかな?」とクイズのように聞いてあげてください。 「『砂漠を歩く』というのは、孤独とか、先が見えないってことかな?」といった会話そのものが、立派な現代文のトレーニングになります。

お子様が自分で問題を作ってみたときは、ぜひその「解説」を聴いてあげてください。「なぜこれが正解なの?」という問いに対し、本文の根拠を指し示しながら説明できれば、そのお子様の現代文力は本物です。


6. まとめ:比喩は「解く」前に「構造」を知れ

共通テスト現代文の比喩表現は、決して受験生を突き放すための意地悪ではありません。むしろ、筆者が「ここは大切だから、イメージしやすいように例えておこう」と差し出したヒントなのです。

そのヒントを正しく受け取るためには、以下のプロセスを日々の演習に組み込んでください。

  1. 比喩を見つけたら、即座に「抽象的な本質」を傍にメモする。

  2. 「なぜこの例えなのか」という筆者の意図を、自問自答する。

  3. 週末に1問だけでいいので、自作の練習問題を作ってみる。

自分で問題を作るという「攻め」の勉強法を実践することで、現代文は「運に左右される科目」から「確実に満点を狙える科目」へと変わります。比喩の迷宮を、論理という地図を持って、颯爽と駆け抜けていきましょう。


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