【小論文】論理展開に自信を持たせるための練習法

小論文の書き方

小論文の対策を始めたばかりの受験生が、共通して突き当たる壁があります。それは、「書くべきネタ(意見)はあるのに、それをどう組み立てれば説得力のある文章になるのかわからない」という悩みです。

「自分の文章は、なんだか支離滅裂な気がする」 「論理的だと言われたことがなく、自信が持てない」

そんな不安を抱えたまま、がむしゃらに過去問を解き、原稿用紙を埋める練習を繰り返しても、なかなか評価は上がりません。小論文において「論理展開」とは、単なる文章の順序ではなく、読み手を迷わせずに結論へと導くための「地図」そのものだからです。

論理展開に自信を持てるようになれば、どんな初見のテーマが出題されても、落ち着いて合格答案を構成できるようになります。この記事では、センスに頼らず、後天的に「最強の論理展開術」を身につけるための具体的な練習法を徹底解説します。


1. なぜあなたの論理展開は「自信」が持てないのか

論理展開に不安を感じる最大の原因は、「書く前に勝負が決まっている」ことに気づいていない点にあります。

多くの受験生は、書き出しの一文目を書き始めてから、「次は何を書こうか」とその場で考えます。これでは、文章が場当たり的になり、途中で矛盾が生じたり、同じ話を繰り返したりするのは当然です。

論理的な文章とは、「設計図(アウトライン)」が完璧に構築された文章のことです。自信を持って書くためには、「何を、どの順番で、なぜ書くのか」が、筆を執る前に自分の中で明確になっていなければなりません。


2. 論理の骨組みを作る「3つの型」をマスターする

論理展開を安定させる最も手っ取り早い方法は、実績のある「型」を使い倒すことです。まずは、以下の3つの構成パターンを自分の血肉にしましょう。

① 基本の「四段構成」(導入・正・反・合)

最も一般的で、どんな大学の入試でも通用する王道の構成です。

  • 序論: 問題提起。テーマの背景を述べ、自分の立場(賛成・反対など)を明示する。

  • 本論1: 自分の意見を支持する最大の理由を、具体例を交えて述べる。

  • 本論2: あえて反対意見(譲歩)に触れつつ、それを上回る自分の意見の妥当性を述べる。

  • 結論: 全体のまとめ。展望を述べ、再度自分の主張を強調する。

② 説得力を生む「PREP法」

短い字数制限(400〜600字)の場合に極めて有効な、ビジネスの世界でも使われる論理構成です。

  • Point(結論): 最初にズバリと自分の主張を述べる。

  • Reason(理由): なぜそう言えるのか、根拠を述べる。

  • Example(具体例): 根拠を補強する具体的なエピソードやデータを出す。

  • Point(結論): 最後にもう一度、結論を繰り返して締める。

③ 課題解決型の「三段構成」

「〇〇の問題点について、あなたの解決策を述べよ」という設問に適した構成です。

  • 現状分析: 今、何が起きているのかという実態を示す。

  • 原因究明: なぜその問題が起きているのか、本質的な原因を突き止める。

  • 解決策の提示: 原因を取り除くための具体的なアクションを提案する。


3. 論理展開を劇的に鍛える「3つの実践練習法」

型を覚えたら、次はそれを使いこなすためのトレーニングです。机に向かって原稿用紙を埋めるだけが練習ではありません。

練習法1:プロの文章の「逆アウトライン」作成(15分)

優れた新聞の社説や、小論文の模範解答を読み、その文章の「骨組み」を抜き出してみる練習です。

  • やり方: 段落ごとに、「この段落で筆者が言いたいこと」を一言でメモします。

  • 目的: 論理的な文章が、どのような順序で、どのような接続詞を使って展開されているのかを可視化します。他人の「設計図」を盗むことで、自分の設計スキルが磨かれます。

練習法2:接続詞を「先に」置くトレーニング(10分)

論理展開とは、一言で言えば「接続詞の使い方」です。

  • やり方: 「しかし」「なぜなら」「確かに〜、だが」「つまり」といった接続詞だけをあらかじめ紙に書き、その空白を埋めるように意見を当てはめていきます。

  • 目的: 接続詞を先に決めることで、思考が強制的に論理的なレールの上を走らされるようになります。

練習法3:1日1回「日常の不満」を論理化する

「通学電車が混んでいて嫌だ」という感情を、小論文の論理展開に乗せて脳内で構成してみます。

  • 例: 「満員電車は解消されるべきだ(結論)。理由は労働生産性の低下を招くからだ(理由)。実際に私は学校に着く前に疲弊している(例)。したがって、時差登校の義務化が必要だ(解決策)。」

  • 目的: 自分の感情を「客観的な論理」に変換する回路を日常的に鍛えます。


4. 読み手を納得させる「論理の強度」を高めるコツ

形が整っても、内容が薄ければ自信は持てません。論理の「強度」を高めるためのチェックポイントをお伝えします。

「なぜ?」を3回繰り返す

自分の主張に対して、常に「なぜ?」というツッコミを入れましょう。「SNSは有害だ」→なぜ?「デマが拡散するから」→なぜデマは拡散するのか?「人間は感情的な情報に飛びつきやすい性質があるからだ」……。 ここまで掘り下げて初めて、論理に深みが生まれます。

「反論」をあらかじめ想定する

自分の意見に反対する人が何を言うかを想像し、それに対する答えをあらかじめ文章に組み込んでおきましょう(「確かに〜、しかし……」の形)。 これを行うだけで、「多角的な視点を持っている」と評価され、論理の穴が塞がります。


5. 保護者の方へ:お子様の「論理力」を伸ばす問いかけ

小論文は、一朝一夕に書けるようになるものではありません。ご家庭での何気ない会話が、実は最高のトレーニングになります。

お子様が何か意見を言ったとき、「どうしてそう思うの?(根拠の要求)」や「反対の立場の人はどう考えるかな?(多角的な視点)」といった問いかけを、日常的に投げかけてみてください。

このとき大切なのは、「正解」を求めるのではなく「プロセス」を楽しんで聴くことです。「なるほど、そういう筋道で考えているんだね」と、思考のプロセスを認めてもらえる経験が、お子様の「自分の考えは論理的に説明できる」という自信に直結します。


6. まとめ:自信は「準備の量」で決まる

小論文の論理展開に自信を持つために、文学的な才能は一ミリも必要ありません。

  1. 書き始める前に、必ず「アウトライン(設計図)」を書き出すこと。

  2. 型(PREP法や四段構成)を自分の型にすること。

  3. 接続詞を使いこなし、論理のつなぎ目を意識すること。

このプロセスを徹底するだけで、あなたの文章は見違えるほど力強く、説得力のあるものに変わります。論理展開とは、読み手への「親切心」です。どうすれば自分の考えを迷わずに目的地(結論)まで届けられるか。そのルートを丁寧に描く練習を積み重ねましょう。

その先には、「どんな問題が来ても、私なら論理的に答えを出せる」という揺るぎない自信が待っています。


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