「英語の単語なら覚えられるのに、古文単語はどうしても頭に入ってこない」
「単語帳を一通りやったはずなのに、模試になると全然訳せない」
多くの高校生が抱えるこの悩み。実は、古文単語の学習には「現代語とのズレ」という特有のハードルがあります。私たちが日常使っている言葉と同じ形をしていながら、意味が全く異なる「古今異義語」や、一つの単語に複数の意味が詰め込まれた「多義語」が、受験生の脳を混乱させるのです。
しかし、古文単語は英単語に比べて圧倒的に覚えるべき数が少ないという大きなメリットもあります。英単語が数千語必要なのに対し、大学受験に必要な古文単語はわずか300〜600語程度。正しい「戦略」さえ身につければ、短期間で完璧にマスターし、得点源に変えることが可能です。
この記事では、脳の仕組みを活かした効率的な暗記術から、実戦で使える知識に変えるためのトレーニング法まで徹底解説します。
1. なぜ「丸暗記」は挫折するのか?古文単語の特性を知る
効率的な学習を始める前に、まず「なぜ古文単語が覚えにくいのか」という敵の正体を知りましょう。
現代語のイメージが邪魔をする
例えば「おどろく」という単語。現代語では「びっくりする」ですが、古文では「目を覚ます」「(ハッと)気づく」という意味が中心です。自分の知っている意味を無理やり当てはめようとすると、文脈が支離滅裂になってしまいます。
多義語の壁
「あはれなり」には、「しみじみと趣深い」「愛しい」「気の毒だ」など、一見バラバラな意味が並んでいます。これを力技で「1:しみじみ、2:愛しい…」と暗記しようとするから、脳が拒絶反応を起こすのです。
2. 効率を劇的に上げる!最強の暗記メソッド5選
古文単語を効率的に覚えるための具体的なテクニックを紹介します。
① 「語源(コアイメージ)」で複数の意味を繋げる
単語帳の右側にある「現代語訳」をそのまま暗記するのではなく、その単語の「核となるイメージ」を掴みましょう。
- 例:「めざまし」
語源は「目が覚めるほど(刺激が強い)」。
そこから、プラスの方向なら「(目が覚めるほど)素晴らしい」、マイナスの方向なら「(目が覚めるほど)気に食わない」という意味に派生します。
このように、一本の幹から枝葉が伸びるように理解すると、多義語は劇的に覚えやすくなります。
② 漢字を当てはめて視覚的に覚える
古文はひらがなで書かれることが多いですが、漢字を当てはめると意味が一瞬で理解できるものが多くあります。
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「かなし」→「愛し(愛おしい)」「悲し(悲しい)」
- 「あやし」→「怪し(不思議だ)」「賤し(身分が低い・みすぼらしい)」
漢字のイメージは、脳に強力なフックをかけてくれます。
③ 「プラス・マイナス」の評価で分類する
古文単語の多くは、筆者の「感情」や「評価」を表します。その単語がプラス(良い)の意味なのか、マイナス(悪い)の意味なのかを判別できるようにするだけで、読解の精度は飛躍的に高まります。
単語帳に印をつけたり、色分けしたりして、「プラスかマイナスか」という感覚を養いましょう。
④ ゴロ合わせとイラストの活用
どうしても覚えられない単語は、市販のゴロ合わせ参考書を活用するのも手です。
古文単語は視覚的なイメージと結びつきやすいため、イラスト付きの単語帳をパラパラと眺めるだけでも、右脳が記憶を助けてくれます。
⑤ 「音読」でリズムを刻む
古文はもともと「耳で聴く」リズムを持った言葉です。
「いみじ(甚し)=はなはだしい、素晴らしい、ひどい」と声に出して唱えることで、聴覚を通じても記憶が定着します。
3. 実践で使える知識に変える「復習のタイミング」
「覚えたはずなのに本番で出ない」のは、知識が長期記憶に移行していないからです。
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1回目(学習当日): 意味とコアイメージを理解する。
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2回目(翌朝): 前日覚えた範囲をテスト形式でチェック。間違えたものに印をつける。
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3回目(1週間後): 印がついたものだけを再度確認。
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4回目(1ヶ月後): 全範囲を総チェック。
古文単語は、短いスパンで「何度も出会う」ことが重要です。一度に1時間かけるよりも、毎日10分を6日間続ける方が、脳は「重要な情報だ」と判断してくれます。
4. 共通テスト・二次試験を見据えた「単語帳」の選び方
自分の志望校や現在のレベルに合った単語帳を選ぶことも、効率化の鍵です。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
| ゴロ・イラスト型 | 視覚とリズムで覚える。 | 古文への苦手意識が強い人、初学者。 |
| 語源・コラム型 | 言葉の成り立ちを深く解説。 | 論理的に理解したい人、難関大志望者。 |
| 頻出順・コンパクト型 | 必要なものだけを厳選。 | 短期間で仕上げたい人、共通テスト対策。 |
一冊を完璧にすることが最優先です。何冊も手を出さず、「これ」と決めた一冊の単語帳がボロボロになるまで使い倒しましょう。
5. 保護者の方へ:お子様の「古典アレルギー」を和らげるために
古文は「昔の日本語」です。英単語のように全く未知の言語を覚えるのとは、本来楽しさが異なります。
もしお子様が古文に苦戦していたら、「昔は『悲しい』って言葉に『愛しい』って意味もあったんだって。言葉って面白いね」といった、文化的な背景への興味を促すような声かけをしてみてください。
「暗記しなさい」と迫るよりも、「なぜその意味になったのか」というエピソードに触れる機会を作ることで、お子様の学習意欲は内側から湧いてくるようになります。
6. まとめ:古文単語は「最小の努力で最大の結果」が出る科目
古文単語の暗記は、受験勉強の中でも非常にコストパフォーマンスの高い作業です。
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語源(コアイメージ)を掴んで多義語を整理する。
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漢字を当てはめてイメージを具体化する。
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プラス・マイナスの評価軸を持つ。
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音読と反復で長期記憶に叩き込む。
これら4つのポイントを意識すれば、300〜600語はあっという間にあなたの血肉となります。単語が分かれば、今まで「記号の羅列」に見えていた古文が、生き生きとした「物語」として立ち上がってきます。
ハートフルの個別授業では、ただ単語を暗記させるだけでなく、実際の入試問題の中で「単語のどの意味を適用すべきか」という判別法をマンツーマンでレクチャーしています。


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