【共通テスト現代文】現代文に必要な「論理的思考力」とは何か

現代文の勉強法

「現代文は日本語だから、なんとなく読めば解ける」 「その時の体調や相性によって、点数が激しく上下してしまう」

共通テストを控える受験生から、こうした声をよく聞きます。しかし、共通テストの現代文において、最もやってはいけないのが「なんとなく読む」ことです。試験センターが公表している出題方針には、明確に「論理的思考力」を問う旨が記されています。

では、受験現代文における「論理的思考力」とは、具体的にどのような能力を指すのでしょうか。それは決して、文学的なセンスや豊かな感受性のことではありません。

この記事では、共通テスト現代文の得点を安定させ、高得点を叩き出すために不可欠な「論理的思考力」の正体を解き明かし、それをどう鍛えるべきかを徹底的に解説します。


1. 現代文における「論理」の正体

そもそも「論理的である」とはどういうことでしょうか。それは、一言で言えば「言葉と言葉のつながりに明確なルール(筋道)がある」ということです。現代文の読解において、私たちが意識すべき論理のルールは主に3つしかありません。

① 同等関係(イコールの関係)

筆者が難しい言葉(抽象的な概念)を述べた後、それを分かりやすい具体例や別の表現で言い換える関係です。「つまり」「すなわち」といった接続詞がその目印になります。

  • 思考のポイント: 「A(難)=B(易)」を見抜くことで、文章の核心を掴みます。

② 対比関係(違いを明確にする関係)

二つの異なる事物を並べることで、筆者が主張したい方の特徴を際立たせる手法です。「しかし」「一方で」などが標識となります。

  • 思考のポイント: 「A(過去)vs B(現在)」「A(西洋)vs B(日本)」といった対立軸を整理することで、文章の構造を立体的に捉えます。

③ 因果関係(原因と結果の関係)

ある事象がなぜ起きたのか、その理由と結果を繋ぐ関係です。「なぜなら」「したがって」がその目印です。

  • 思考のポイント: 設問で最も問われやすい「なぜか?」という問いに対し、本文から正確に根拠を抽出する力になります。


2. なぜ共通テストは「論理」を重視するのか

共通テストの現代文は、かつてのセンター試験以上に「実用的な文章」や「複数の資料」を用いた出題が目立つようになりました。これには明確な意図があります。

主観を徹底的に排除するため

大学での学びや社会生活において必要なのは、自分の思い込み(主観)で文章を読むことではなく、書かれている事実(客観)を正確に受け取ることです。共通テストは、受験生が「自分の常識」というバイアスを捨て、「本文というルールブック」に従って思考できるかを試しているのです。

情報処理のスピードと正確性を測るため

膨大な文字数を制限時間内に処理するには、一字一句を丁寧に追う精読だけでは足りません。論理の骨組みを素早く見抜き、必要な情報だけをピックアップする「構造的読解」が必要です。これこそが、共通テストが求める論理的思考力の実戦的な形です。


3. 論理的思考力を鍛える3つのステップ

では、具体的にどうすれば論理的思考力を身につけられるのでしょうか。

ステップ1:接続詞への徹底的なマーキング

文章を読む際、必ずペンを持って接続詞に印をつけましょう。

  • 逆接は「▼」、言い換えは「=」、因果関係は「→」など、自分なりの記号を決めて視覚化します。これだけで、文章は単なる文字の羅列から「意味のネットワーク」へと変わります。

ステップ2:「要約」を日常の習慣にする

一段落読み終わるごとに、「この段落を一言で言うと何か?」を考える癖をつけましょう。 論理的思考力の核は「要約力」です。細かい枝葉を切り捨て、幹となる主張を見つけ出す作業を繰り返すことで、筆者の論理展開が面白いように見えてきます。

ステップ3:選択肢を「消去法」ではなく「根拠」で選ぶ

過去問を解く際、「なんとなくこれが正解っぽい」という選び方は卒業しましょう。 「本文の〇行目にこう書いてあるから、この選択肢のこの部分が正しい」と、自分の答えに論理的な説明がつくまで徹底的に本文と照合します。共通テストの選択肢は非常に巧妙に作られていますが、論理的に読めれば「本文に書いていないこと」や「因果関係が逆転しているもの」を確実に排除できます。


4. 資料や図表を含む「新傾向問題」の攻略法

近年の共通テストでは、文章だけでなく図表やポスター、ノート形式の資料を読み解く問題が増えています。これも論理的思考力の延長線上にあります。

  • 資料を「文章の一部」として捉える: 図表は単なる飾りではなく、本文の主張を補強したり、具体化したりするためのものです。「本文のこの一文が、図表のこの数字に対応している」というリンク(論理的な繋がり)を見つける訓練をしましょう。


5. 保護者の方へ:論理的思考は「問いかけ」で育つ

論理的思考力は、机に向かっている時間だけで育つものではありません。ご家庭での日常会話も、立派なトレーニングの場になります。

お子様が何か意見を言ったとき、「どうしてそう思うの?(因果関係)」「例えばどういうこと?(具体化)」「他のことと比べるとどう違うの?(対比)」と、優しく問いかけてみてください。 自分の考えを筋道立てて説明する経験の積み重ねが、そのまま現代文の読解における「論理性」へと繋がります。現代文は「日本語の試験」である以上に、一生モノの「考える力」を養う教科なのです。


6. まとめ:論理的思考力は「最強の武器」になる

共通テスト現代文で求められる論理的思考力とは、文章の中に隠された「ルール」を見つけ出す力のことです。

  1. 接続詞に注目し、文章の骨組みを可視化する。

  2. 主観を捨て、本文の記述のみを根拠にする。

  3. 要約を通じて、情報の優先順位をつける。

この力を身につければ、試験の難易度や題材に左右されることなく、安定して高得点を取ることができるようになります。そして何より、この「筋道立てて考える力」は、受験勉強だけでなく、その先の人生におけるあらゆる課題を解決するための最強の武器になるはずです。

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