【漢文】句形ごとの出題傾向と対策の立て方:最短ルートで「満点」を奪取する戦略

漢文の勉強法

「漢文は配点が低いから後回しでいい」 「句法を暗記したけれど、実際の模試ではどこが問われるのかピンとこない」

もしあなたがそう考えているなら、非常にもったいないことをしています。大学受験、あるいは高校受験の最上位校において、漢文は「最も短期間で満点が狙える、最高の得点源」だからです。

漢文の試験には、英語や現代文のような「無限の語彙力」や「天性のセンス」は必要ありません。求められるのは、特定の「句形」がどのような形で、どのような意図で出題されるかを知る「出題者との知恵比べ」です。

この記事では、主要な句形ごとの出題傾向を分析し、合格点を確実にもぎ取るための具体的な対策の立て方を徹底解説します。


1. なぜ漢文は「句形」がすべてなのか?

漢文の文章は、一定の「型(句形)」の組み合わせで構成されています。出題者は、あなたがその型を正しく認識し、書き下し文や現代語訳に正しく変換できるかをチェックしています。

句形は「文の構造」を決定する

例えば「使」という一文字を見た瞬間、あなたの脳内には「使役(〜に〜させる)」という構造が浮かばなければなりません。これができないと、文中の登場人物が「命令している側」なのか「されている側」なのかが逆転し、ストーリーが崩壊します。

設問の8割は句形に依存する

共通テストから二次試験まで、設問の多くは「傍線部の書き下しとして適当なものを選べ」「傍線部を現代語訳せよ」という形式です。これらは、純粋に句形の知識を問うているに過ぎません。


2. 【徹底分析】主要句形ごとの出題傾向と狙われるポイント

試験で特に出題されやすい5つのカテゴリーについて、その「狙われ方」を解説します。

① 否定・二重否定(「不」「無」「非」など)

  • 出題傾向: 単純な否定よりも、「不レ敢レ〜(あへて〜せず:決して〜しない)」や「無レ不レ〜(〜ざるはなし:すべて〜する)」といった二重否定が圧倒的に狙われます。

  • 対策: 二重否定は「強い肯定」を意味します。「結局、どっちなの?」という結論を明確にする訓練をしましょう。書き下し文での「〜ざる(未然形)」と「〜なし(終止形)」の接続ミスは、記述試験での減点対象の筆頭です。

② 使役・受身(「使」「被」「見」など)

  • 出題傾向: 登場人物の「動作の主体(誰がやったか)」を問う問題で必ず絡んできます。特に「為A所B(AのBする所となる)」という受身の形は、書き下しが特殊なため、選択肢問題の定番です。

  • 対策: 文中の「A」と「B」に、具体的な人物名を当てはめるクセをつけましょう。「A(上司)のB(部下)に叱られる所となる」のように状況をイメージ化することで、意味の取り違えを防げます。

③ 疑問・反語(「何」「安」「豈」など)

  • 出題傾向: 文末が「〜か(疑問)」で終わるのか、「〜んや(反語:いや、〜ない)」で終わるのかを見極める力が試されます。特に「反語」は筆者の強い主張が込められるため、内容一致問題の正解の根拠になりやすいです。

  • 対策: 反語の「んや」という響きを身体に染み込ませましょう。文脈が「ありえない状況」を説明しているなら、それは十中八九「反語」です。

④ 比較・選択(「不如」「寧」など)

  • 出題傾向: 「AはBに如かず(AはBに及ばない)」という比較や、「寧ろ〜とも、〜せず(むしろ〜しても、〜しない)」といった強い意志を問う問題が出ます。

  • 対策: 比較対象が何と何であるかを明確にします。特に「A不如B」の形は故事成語(百聞は一見に如かず等)で慣れ親しんでいるため、基本を疎かにしないことが大切です。

⑤ 限定・累加(「只」「非但」など)

  • 出題傾向: 「ただ〜だけだ(限定)」や「〜だけでなく、さらに〜(累加)」は、話の展開を補足する際に使われます。

  • 対策: 文末に補われる「のみ(耳・已・爾など)」の漢字パターンを網羅しましょう。


3. 合格を確実にする「逆算型」対策の立て方

句形を覚えた後に、どう得点に結びつけるかのステップです。

ステップ1:白文で「句形のカタチ」を見つける練習

返り点や送り仮名がある状態(訓読文)で読めるのは当たり前です。何もついていない「白文」を見て、漢字の並びだけで「あ、これは使役の形だ」と気づけるまで、例文を繰り返し眺めます。

ステップ2:送り仮名の「接続」を徹底チェック

「未然形+ば(仮定)」なのか「已然形+ば(確定)」なのか。漢文においても古文文法の知識は不可欠です。句形と助詞・助動詞の接続をセットで確認することで、書き下し問題のケアレスミスをゼロにします。

ステップ3:過去問で「設問のパターン」を覚える

志望校の過去問5年分を分析しましょう。「この大学はいつも反語の現代語訳を出してくる」「ここは再読文字の書き下しが大好きだ」といった傾向が見えてきます。


4. 保護者の方へ:漢文は「パズル」のような論理思考の訓練です

お子様が漢文の勉強を「ただの暗記」だと思って苦しんでいるなら、ぜひ「漢文はルールに従って解くパズルだよ」と伝えてあげてください。

漢文は、漢字という記号を一定のルール(句形)で並べ替える、非常に論理的な科目です。 保護者の方にできるサポートは、「暗記の負担を減らす視点」を与えてあげることです。 「この句形、さっきの例文と同じ形じゃない?」 「この『何』は、英語の『What』と同じ役割だね」 そんなふうに、共通点や論理構造に注目させてあげることが、お子様の「漢文脳」を育てる近道になります。


5. まとめ:句形を制する者が漢文を制す

漢文の勉強に、多くの時間は必要ありません。しかし、やるべきことの「優先順位」を間違えてはいけません。

  1. 主要句形の「形」と「意味」をセットで覚える。

  2. 特に「反語」と「受身」は、文脈判断の鍵として最優先で対策する。

  3. 書き下し文の「接続(活用形)」に細心の注意を払う。

この3点を守るだけで、あなたの漢文の点数は面白いように安定します。配点が低いからと侮らず、むしろ「確実に満点を取って他の受験生に差をつける」という攻めの姿勢で取り組んでください。

 

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