小論文を書くときに、「内容は悪くないのに、なんとなく読みにくい」「先生から“段落を工夫しよう”と言われた」という経験はありませんか?
実は、小論文の印象を大きく左右するのが段落の分け方です。段落を上手に使えるだけで、文章が一気に読みやすく、論理的に見えるようになります。今回は、「読みやすく、論理的に伝わる段落の作り方」を、高校生でも実践できる形で解説します。
1. 段落は「内容のかたまり」で考える
まず意識したいのは、段落は単なる「見た目の区切り」ではなく、内容のひとまとまりだということです。
一つの段落には、基本的に「一つの主張(または要素)」だけを書くのが原則です。
つまり、段落が変わるということは、主張・視点・展開が変わるタイミングということになります。
たとえば次のような構成を考えてみましょう。
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【第1段落】問題提起(テーマに対する立場を明確にする)
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【第2段落】理由①(社会的・一般的な理由)
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【第3段落】理由②(具体例・個人的な経験)
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【第4段落】まとめ(再主張+結論)
このように、内容のまとまりごとに区切ると、文章の流れが自然に整理され、読み手にも理解されやすくなります。
2. 1段落=1テーマ、を徹底する
段落を上手に分ける最大のポイントは、1段落に1つのテーマしか書かないことです。
悪い例を見てみましょう。
私は地域のボランティア活動に参加したことで、助け合いの大切さを学んだ。地域の人々と協力する中で、責任感も身についた。また、学校の友人と話し合う時間も増えたため、友情の大切さにも気づいた。
この段落では、「助け合い」「責任感」「友情」という3つのテーマが混ざっています。これでは読み手が「何が主題なのか」をつかみにくいです。
これを次のように分けると、ぐっとわかりやすくなります。
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【第2段落】地域の活動から学んだ「助け合いの大切さ」
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【第3段落】その経験で身についた「責任感」
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【第4段落】その後に感じた「友情の深まり」
こうして段落ごとにテーマを分けることで、内容が整理され、論理的に伝わる文章になります。
3. 段落のつなぎ方を意識する
段落を分けるだけでなく、「つなぎ方」も重要です。読者がスムーズに次の段落へ移れるように、接続の言葉や論理の橋渡しを使いましょう。
次の3つが代表的なパターンです。
(1)順接のつなぎ(→話を進める)
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「まず」「次に」「さらに」「そのため」
例:
まず、私は地域の清掃活動に参加した。
さらに、その経験を通して、人とのつながりの大切さを実感した。
(2)対比・転換のつなぎ(→視点を変える)
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「一方で」「しかし」「反対に」
例:
努力すれば結果が出ると考える人も多い。
しかし、努力だけでは報われない現実もある。
(3)結論へのつなぎ(→まとめに入る)
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「したがって」「このように」「以上のことから」
例:
以上のことから、人との協力が個人の成長に欠かせないことが分かる。
段落の切れ目ごとにこれらの言葉を上手に入れることで、読者が迷わずに読み進めることができます。
4. 段落を変えるタイミングの目安
「どこで段落を変えればいいかわからない」という人も多いでしょう。次の3つのサインを目安にしてみてください。
(1)話題・視点が変わるとき
→「地域の活動」から「学校の活動」など、話題が切り替わるときは段落を変えます。
(2)理由・具体例が切り替わるとき
→「理由①:社会的意義」「理由②:個人的成長」など、要素が変わるときに分けます。
(3)文章のリズムが悪くなったとき
→一文一文が長く、読みにくく感じたら、段落を分けて“呼吸”を作ります。
段落の目的は、書き手ではなく読み手の理解を助けること。
「ここで一度話を整理した方がいいな」と思ったタイミングが、段落を変える合図です。
5. 実践:段落構成の具体例
では、実際の小論文を想定して、段落の作り方を見てみましょう。
テーマ:「SNSと人間関係」
(例)
【第1段落】問題提起
現代では、SNSを通じて人とつながることが当たり前になっている。しかし、SNSの普及は人間関係のあり方を変えつつあり、その影響には賛否が分かれる。私は、SNSは使い方次第で人間関係をより豊かにできると考える。
【第2段落】理由①(ポジティブな面)
SNSを通じて、離れた友人とも簡単に連絡を取ることができる。特に、コロナ禍で直接会えなかった時期には、SNSが人々のつながりを保つ重要な手段となった。
【第3段落】理由②(注意すべき面)
一方で、SNSでは相手の感情が伝わりにくく、誤解を生むことも多い。現実の関係を補うものであるにもかかわらず、SNSだけでつながりを完結させようとする人も増えている。
【第4段落】結論
したがって、SNSは使い方によって人間関係を深めることも壊すこともある。重要なのは、相手を思いやる気持ちを忘れず、対面での関わりとバランスを取ることである。
このように段落を整理することで、読み手は筆者の主張・理由・結論を明確に追うことができます。
6. 段落の長さにも注意
段落は短すぎても長すぎても読みにくくなります。
理想的なのは、**5〜7行程度(150〜200字前後)**です。
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短すぎると:主張が浅く見える
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長すぎると:内容がぼやける
特に入試小論文では、1段落が異常に長いと「論理の整理ができていない」と判断されがちです。
内容を3〜4段落に整理できていると、構成力があるとみなされやすくなります。
7. 段落を「読む側」の立場で見直す
最後に、小論文を書いたあとには必ず「読み手の目線」でチェックしてみましょう。
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段落ごとに主張が明確になっているか
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段落同士のつながりが自然か
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読みやすいリズムになっているか
もし「この段落、何を言いたいのか一読では分かりにくい」と感じたら、その段落には主張が複数混ざっているか、話題の転換が曖昧な可能性があります。
段落の並べ替えや再分割をしてみると、ぐっと論理が整理されます。
まとめ:段落を制する者は小論文を制す
小論文で高得点を取るためには、内容の深さだけでなく、読みやすさ・論理の流れが非常に大切です。
その基礎となるのが「段落の分け方」。
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段落は内容のかたまりとして考える
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1段落1テーマを守る
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接続表現で論理をつなぐ
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長さのバランスを意識する
これらを意識することで、読み手に伝わる小論文へと変わります。
段落を整えることは、単なる形式の調整ではなく、「論理を整理し、考えを伝える力」を磨く訓練そのものです。
書き終えたあとにもう一度、「段落ごとに何を言っているか」を声に出して確認するだけでも、文章の完成度は大きく上がります。
段落を味方につけて、「伝わる小論文」を完成させましょう。


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