【共通テスト現代文】「段落のはたらき」を理解して論理構造をつかむ:速読と精読を両立させるプロの視点

現代文の勉強法

「共通テストの現代文、文章が長すぎて最後まで読み終わらない……」 「なんとなく意味はわかるけれど、選択肢のひっかけにいつも迷ってしまう」

共通テスト現代文の壁にぶつかっている多くの受験生が抱える悩みです。しかし、実はその苦戦の原因は「読むスピード」にあるのではありません。文章を「一文一文の集まり」としてバラバラに読んでしまい、文章全体の「設計図(論理構造)」が見えていないことにあります。

共通テストの現代文を、制限時間内に、かつ高精度で解き切るために必要なのは、一字一句を丁寧に追うことではなく、「段落同士がどうつながり、どのような役割を果たしているか」を鳥の目で見渡す力です。

この記事では、段落の「はたらき」を読み解き、文章の骨組みを一瞬でつかむための戦略的読解法を徹底解説します。


1. なぜ「段落のはたらき」に注目すると正解率が上がるのか

共通テストの作問者は、論理が曖昧な文章を使いません。必ず、各段落には「その場所に置かれている明確な理由」があります。

設問は「論理の継ぎ目」から作られる

「傍線部Aの理由を次から選べ」という問いの答えは、必ず傍線部の前後にある「段落のつながり」の中に隠されています。段落同士の関係(対比、具体化、因果など)がわかっていれば、解答の根拠となる範囲を迷わず特定できるのです。

スピードを上げる「情報の強弱」

段落の役割がわかると、読むべき場所に強弱がつけられます。「この段落は前の段落の具体例だな」とわかれば、細部はスピードを上げて読み飛ばし、次の「結論」が書かれた段落へ意識を集中させることができます。これが、共通テスト攻略の必須スキルである「戦略的速読」の正体です。


2. これだけは押さえたい!段落の「4つの主要な役割」

現代文の評論文は、驚くほど決まったパターンで構成されています。まずは、段落に以下のラベルを貼る訓練から始めましょう。

① 導入・問題提起の段落

文章の冒頭で、「世間ではこう思われているが、実は……」と、これから議論するテーマを提示する役割です。ここで筆者が何を「問題」にしているかを読み間違えると、その後の読解はすべてズレてしまいます。

② 具体化(例示)の段落

抽象的で難しい主張を、わかりやすく説明するための段落です。「例えば」「具体的には」という言葉が目印になります。ここは内容を理解するための助けにはなりますが、「筆者の最も言いたいこと」そのものではありません。

③ 対比(比較)の段落

「西洋と日本」「近代と現代」「自己と他者」など、二つの概念を並べて違いを際立たせる役割です。設問ではこの「違い」が非常に狙われやすいため、どちらの概念について説明しているのかを常に意識する必要があります。

④ 結論・要約の段落

「したがって」「つまり」「以上のように」で始まる、文章の核心部分です。筆者の主張が凝縮されているため、最も精読すべき箇所です。


3. 実践!文章の「骨組み」を可視化するテクニック

読みながら、余白に以下の「論理記号」をメモする習慣をつけてください。これがそのまま、文章の設計図になります。

  • 「=」(イコール): 前の段落の内容を言い換えている、または具体例を挙げている場合。

  • 「⇔」(対比): 前の段落と反対の内容や、別の視点を提示している場合。

  • 「➡」(因果): 前の段落が原因で、この段落が結果(結論)を述べている場合。

  • 「?」(問題提起): 筆者が疑問を投げかけ、次の段落からその答えを探そうとしている場合。

共通テストの長い文章も、この記号でつなぐと、実は「4つか5つの大きなブロック」に集約されることがわかります。このブロック単位で内容を把握できるようになれば、迷路のような選択肢に惑わされることはなくなります。


4. 共通テスト特有の「複数テキスト」への応用

近年の共通テスト現代文では、二つの文章や図表を組み合わせる問題が出題されます。ここでも「段落のはたらき」の視点が威力を発揮します。

「文章1の第3段落の主張に対し、文章2ではどのような具体例を挙げているか」といった問いに対し、それぞれの文章の構造が頭に入っていれば、パズルのピースをはめるように解答できます。個別の単語ではなく、「論理の役割」という共通言語で二つの文章をつなぐことが、新形式問題の攻略法です。


5. 保護者の方へ:現代文は「読み方」のトレーニングです

お子様が「国語はセンスだから伸びない」と諦めているなら、それは大きな間違いです。現代文はセンスではなく、「論理のルールを知っているかどうか」という技術の教科です。

保護者の方にできるサポートは、お子様が解き終わった問題集を見た際、「答えが合っているか」だけでなく、「文章の構造を説明できるか」を聞いてあげることです。 「この段落は何のためにあるの?」「前の段落とどうつながっているの?」という問いかけに対し、お子様が自分の言葉で論理を説明しようとするとき、読解力は飛躍的に向上します。


6. まとめ:段落を味方につければ、現代文は怖くない

共通テスト現代文は、闇雲に読み進める「我流」では限界があります。

  1. 一文に固執せず、段落単位の「役割」に注目する。

  2. 論理記号を使い、文章の全体像(設計図)を余白にメモする。

  3. 「具体例」と「主張」を切り分け、精読すべき箇所にエネルギーを注ぐ。

この視点を持つだけで、あなたの目の前の真っ白な問題用紙は、論理が鮮やかに浮き彫りになった「得点源」へと変わります。

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