【小論文】評価を分かつ「問題解決力」の正体:採点官を納得させる論理構成の極意

小論文の書き方

「小論文は、作文や感想文の延長線上にある」と考えてはいませんか?

もしそう思っているのなら、今すぐその認識をアップデートする必要があります。多くの大学が入試で小論文を課す最大の理由は、受験生の「知識の量」ではなく、未知の課題に対して自ら問いを立て、現実的な処方箋を提示する「問題解決力」を見極めるためです。

特に医療系、教育系、社会科学系の学部では、単に美しい文章が書けることよりも、「なぜその問題が起きているのか」を構造的に理解し、実効性のある解決策を論理的に導き出せるかどうかが、合格ラインを分ける決定的な要素となります。

この記事では、小論文で最も高く評価される「問題解決力」を答案に落とし込むための、具体的な思考法と書き方のテクニックを徹底解説します。


1. 小論文における「問題解決力」とは何か

小論文における問題解決力とは、単に「良い解決策を思いつくこと」ではありません。以下の3つのステップが論理的に一貫している状態を指します。

「問い」を適切に設定する力

与えられたテーマに対して、「何が真の問題なのか」を特定する力です。例えば「少子化対策」というテーマに対し、単に「子供を増やすべきだ」とするのではなく、「なぜ現代の若者は将来に不安を感じ、出産を躊躇うのか」という一歩踏み込んだ問いを立てられるかどうかが重要です。

「多角的な視点」で分析する力

一つの原因に固執せず、経済的、心理的、制度的、歴史的といった複数の側面から課題を解剖する力です。採点官は、あなたの知識の幅と、物事を客観的に俯瞰できる冷静さを見ています。

「実効性と妥当性」のある提案をする力

「AIですべて解決する」「世界平和を実現する」といった飛躍した夢物語ではなく、現在の社会システムや人間心理を前提とした上で、「一歩前進させるための現実的な提案」ができる力です。


2. 評価を劇的に高める「問題解決型」の構成フレームワーク

小論文で「問題解決力」をアピールするには、文章の型(フレームワーク)を固定するのが最も効率的です。以下の4段構成を身につけましょう。

第1段:現状分析と課題の特定(Problem)

まずはテーマに関する現状を整理し、解決すべき「真の課題」を提示します。

  • ポイント: 「〇〇という現状があるが、真に深刻なのは××という点である」と、議論の焦点を絞り込みます。

第2段:原因の多角的分析(Analysis)

なぜその課題が解決されずに残っているのか、原因を分析します。

  • ポイント: 「原因は二つある。一つは制度的な不備、もう一つは人々の意識の乖離である」と、対照的な二つの視点から切り込むと、分析の深さが伝わります。

第3段:解決策の提示(Solution)

第2段で分析した原因に対して、直接的なアプローチを提案します。

  • ポイント: 「短期的には〇〇という施策が必要だが、長期的には××という教育改革が不可欠である」と、時間軸を分けると現実味が増します。

第4段:波及効果と結び(Conclusion)

提案した解決策が、社会にどのようなプラスの影響をもたらすかを示し、締めくくります。

  • ポイント: 自分の提案が完璧であると豪語するのではなく、「この解決策には〇〇という懸念もあるが、××によって補完可能である」と、反論を想定した記述を加えると、論理の強固さが際立ちます。


3. 「浅い答案」から脱却するための3つの思考トレーニング

多くの受験生が陥る「ありきたりな解決策」を避け、独自性と説得力を持たせるための思考法を紹介します。

① 「なぜ?」を5回繰り返す

「若者が本を読まない」という課題に対し、「スマホのせいだ」で終わらせてはいけません。なぜスマホが選ばれるのか、なぜ読書が敬遠されるのか。深掘りすることで、「情報の即時性への依存」や「長文を読み解く持久力の低下」といった、より本質的な原因に辿り着けます。

② 「逆の立場」から解決策を検証する

自分が提案した解決策によって、「不利益を被る人はいないか?」を考えます。例えば、レジ袋有料化を提案するなら、それによって不便を感じる高齢者や、清掃コストが増大する店舗側の視点を取り入れます。この「想像力」こそが、高度な問題解決力として評価されます。

③ 「トレードオフ」を意識する

何かを得るためには、何かを犠牲にする必要があります。小論文では、安易なハッピーエンドを描くのではなく、「コストはかかるが、将来の投資としてこれが必要だ」という、痛みを伴う判断を論理的に説明できる姿勢が、大人の思考として高く評価されます。


4. 保護者の方へ:日常の「不満」を「課題」に変える対話を

問題解決力は、机に向かっている時間だけで育つものではありません。

保護者の方にお願いしたいのは、「日常の小さな不平不満を、論理的な課題解決のテーマに変えること」です。

例えば、ニュースを見て「最近は物価が高くて嫌ね」で終わらせるのではなく、「どうして物価が上がっていると思う?」「もしあなたが政治家なら、家計を助けるためにどんな工夫をする?」と問いかけてみてください。

自分の言葉で「原因を推測し、対策を提案する」経験の積み重ねが、試験本番で揺るぎない「自分の考え」を書くための土台となります。


5. まとめ:小論文は、あなたの「未来の姿勢」を示す場

小論文における問題解決力とは、単なるテクニックではありません。それは、社会の困難に対して「自分に何ができるか」を真摯に考え抜く姿勢そのものです。

  1. 「問い」を深掘りし、表面的な現象の奥にある真の原因を特定する。

  2. 対比や多角的な視点を用い、論理的な一貫性を持った構成で書く。

  3. 現実的かつ実効性のある提案を、その限界も含めて客観的に論じる。

このプロセスを意識して書かれた答案は、採点官の心に「この学生と一緒に学びたい」という強い印象を残します。


私の個別指導では、書かれた小論文の添削にとどまらず、一つのテーマに対して「他にどんな視点があるか」「その解決策の弱点はどこか」を、生徒さんと対話しながら徹底的に深掘りしています。

「自分の書く内容がいつも子供っぽくなってしまう」という悩みはありませんか?まずは、あなたが最近気になっているニュースを一つ教えてください。それを合格レベルの「問題解決型小論文」に仕上げるための戦略を、一緒に練り上げていきましょう。

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