【小論文】書いた小論文を客観的に評価する方法:自分の答案を「採点官の目」で見直す技術

小論文の書き方

「一生懸命書いたけれど、これで本当に合格点がもらえるのだろうか?」 「書き終えた直後は完璧だと思ったのに、後で見返すと支離滅裂に見える」

小論文の学習において、最も難しいのが**「書いた後の自己評価」**です。英語や数学のように明確な正解(解答)がないため、自分の文章がどれほど論理的で、どれほど説得力があるのかを客観的に判断するのは至難の業です。

しかし、入試本番で採点をするのは、あなたの「熱意」を知らない第三者である採点官です。合格を勝ち取るためには、自分自身が「厳しい採点官」になりきって、自分の答案を冷徹に解剖する視点を持たなければなりません。

この記事では、独学では気づきにくい「客観的評価」のポイントと、セルフチェックの精度を劇的に高めるための戦略的フレームワークを徹底解説します。


1. なぜ「書いた直後」の自己評価はあてにならないのか

人間には、自分の考えに対して「正しいはずだ」と思い込む「確証バイアス」があります。特に数時間をかけてひねり出した文章には愛着が湧き、論理の飛躍や説明不足に脳が自動的に蓋をしてしまいます。

「脳内補完」の罠

書き手であるあなたは、背景にある知識や意図をすべて知っています。そのため、文章に言葉が足りなくても、自分の脳が勝手に意味を補って「読める」と判断してしまうのです。これを防ぐには、自分を「初対面の読者」に設定し直す必要があります。


2. 採点官の視点を手に入れる「5つの評価指標」

多くの大学が採用している採点基準をベースに、客観的なチェックリストを作成しましょう。以下の5つの項目に沿って、自分の答案を1〜5点で採点してみてください。

① 設問への応答性(最も重要!)

  • チェック: 問いに対して「イエス/ノー」を明確に答えているか?

  • 陥りやすいミス: 自分の得意な知識を語るあまり、出題者の意図から微妙にズレた持論を展開してしまう。

② 論理の一貫性(ロジック)

  • チェック: 「原因」と「結果」が正しく結びついているか?

  • 陥りやすいミス: 「〜だから、世界は平和になるべきだ」といった、論理の飛躍や極端な一般化。

③ 具体性と実効性

  • チェック: 解決策が具体的か? 「意識を変える」といった精神論だけで終わっていないか?

  • 陥りやすいミス: 現実の社会制度を無視した「夢物語」を提案してしまう。

④ 語彙と表記の適切さ

  • チェック: 「だ・である」調が統一されているか? 接続詞が正しく使われているか?

  • 陥りやすいミス: 口語(しゃべり言葉)の混入や、主語と述語のねじれ。

⑤ 構成のバランス

  • チェック: 序論・本論・結論の比率が適切か?

  • 陥りやすいミス: 背景説明(序論)が長すぎて、自分の主張(本論)を書くスペースが足りなくなっている。


3. 客観性を100%にするための「寝かせ」と「音読」

評価指標を頭に入れたら、次に物理的な手法を使って視点を切り替えます。

「一晩寝かせる」という魔法

書いた直後の「熱」が冷めるまで、最低でも一晩、できれば24時間は答案を見ないようにしましょう。時間を置くことで、文章を「自分の分身」ではなく「一つの物体」として眺めることができるようになります。

「音読」で論理のひずみを見つける

目で追うだけでは気づかないリズムの悪さや、意味の通じない箇所は、声に出して読むと一瞬で露呈します。

  • 息が続くか?(一文が長すぎないか)

  • つっかえずに読めるか?(接続詞のつながりが不自然ではないか)

  • 「耳」で聞いて意味がスッと入ってくるか?


4. プロの視点を疑似体験する「逆アウトライン」法

客観的評価の極め付けは、自分の書いた文章から**「目次(骨組み)」を逆引きする**ことです。

  1. 自分の答案の各段落から、一言で「何を書いているか」を抜き出す。

  2. その抜き出した項目だけを並べてみる。

  3. その「目次」を読んで、話の流れに矛盾がないか確認する。

もし、目次を並べた時に「第2段落から第3段落へのつながりが強引だな」と感じたら、そこが論理の欠陥です。採点官はまさにこの「骨組み」を見て、あなたの思考の質を判断しています。


5. 保護者の方へ:「批評家」ではなく「読者」になってください

お子様が書いた小論文を見せてくれたとき、つい「ここがダメ」「漢字が違う」と間違い探しをしてしまいませんか?

保護者の方にできる最高の客観的評価は、**「内容が理解できたかどうかを伝えること」**です。 「この部分はすごく納得したけれど、この一文はどういう意味?」という素直な感想が、お子様にとっての「第三者の視点」になります。 小論文は、特定の知識を問うものではなく「人を納得させる」ものです。最も身近な大人である保護者の方が「納得できた」と感じるかどうかが、何よりの合格判定になります。


6. まとめ:客観視こそが「書く力」を育てる

書いた小論文を客観的に評価する力は、そのまま「次に何を書くべきか」を考える力につながります。

  1. 採点官のチェックリスト(応答性・論理・具体性)に沿って自己採点する。

  2. 時間を置き、音読することで「脳内補完」を解除する。

  3. 逆アウトラインを作成し、論理の骨組みに欠陥がないか検証する。

この「振り返り」をサボらずに繰り返した答案だけが、本番で採点官を唸らせる「強い文章」へと進化します。


私の個別指導では、生徒さんが書いた小論文を私が添削するだけでなく、生徒さん自身に「自分の文章の弱点はどこだと思う?」と問いかけ、セルフチェック能力を高めるトレーニングを重視しています。

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