【古文】「ず」「む」「けり」が読解を分ける!主要助動詞の攻略法と得点直結の判別術

古文の勉強法

「単語は覚えたはずなのに、文章になると意味が逆転してしまう」 「助動詞の表を暗記したけれど、実際の文の中でどう訳せばいいかわからない」

古文アレルギーを持つ受験生の多くが、この「助動詞」という壁の前で立ち止まってしまいます。しかし、古文における助動詞は、英語でいうところの「時制」や「助動詞(will/mustなど)」、さらには「否定」を司る、文章の背骨です。

ここを曖昧にしたままでは、筆者が「した」のか「していない」のか、あるいは「したい」のか「するだろう」のかという、物語の根幹を読み違えてしまいます。逆に言えば、主要な助動詞の「意味・接続・活用」、そして「識別のコツ」さえ掴めば、古文はパズルを解くようにスラスラと読めるようになります。

この記事では、特に入試頻出の「ず」「む」「けり」を中心に、主要助動詞の攻略法を徹底解説します。


1. 助動詞攻略の「三種の神器」:意味・接続・活用

具体的な助動詞に入る前に、全ての助動詞を攻略するための鉄則を確認しましょう。

  1. 接続を覚える: その助動詞が、動詞の「何形」にくっつくか。(例:未然形+ず)

  2. 意味の使い分け: 一つの助動詞が複数の意味を持つ場合、どう見分けるか。(例:「む」の推量・意思など)

  3. 活用(形)を見極める: 文中での形から、後に続く言葉との関係を把握する。

これらをバラバラに覚えるのではなく、セットで脳内にインストールすることが、古文読解のスピードを劇的に上げます。


2. 否定の「ず」:意味の逆転を防ぐ最強の番人

古文で最も登場し、かつミスが許されないのが否定の助動詞「ず」です。

接続と活用

  • 接続: 未然形(「書か」+ず)

  • 活用: (ず・ず・ず・ぬ・ね・〇)/(ざら・ざり・〇・ざる・ざれ・ざれ)

攻略のポイント:連体形「ぬ」と已然形「ね」

受験生が最も落としやすいのが、活用形の「ぬ」と「ね」です。

  • ぬ: 完了の助動詞「ぬ」の終止形と形が同じです。

  • ね: 完了の助動詞「ぬ」の命令形や、打消の助動詞「ず」の已然形など、複数の可能性があります。

【判別のコツ】 直前の語の「形」を見ましょう。

  • 未然形+ぬ: 否定(〜ない)

  • 連用形+ぬ: 完了(〜してしまった) この「直前チェック」の習慣だけで、読解の致命的なミスはゼロになります。


3. 推量の「む(ん)」:文脈を読み解く魔法の杖

「む」は単純な「だろう」だけではありません。文脈に応じて5つ(あるいは6つ)の意味を使い分ける必要があります。

意味の5パターン(スイカカエテ)

  1. 推量: 〜だろう(主語が三人称)

  2. 意思: 〜しよう(主語が一人称)

  3. 勧誘: 〜したらどうか(主語が二人称/会話文)

  4. 仮定: 〜としたら(文中で連体形になる場合が多い)

  5. 婉曲: 〜のような(文中で連体形になり、下に名詞がある場合)

攻略のポイント:主語との連動

「む」の意味を決定するのは、その文の「主語」です。

  • 主語が「私」なら意思。

  • 主語が「あなた」なら勧誘。

  • 主語が「その他」なら推量。 まずは主語を特定し、そこから「む」の意味を逆引きする。この思考プロセスが、会話文の読解で威力を発揮します。


4. 過去の「けり」:物語と詠嘆のスイッチ

「けり」は単なる過去形(〜た)ではありません。

2つの大きな意味

  1. 過去: 〜た(主に地の文で使用)

  2. 詠嘆: 〜だなあ、〜たことよ(主に和歌や会話文で使用)

攻略のポイント:和歌の中の「けり」

和歌の中で「けり」が出てきたら、9割以上の確率で「詠嘆(〜だなあ)」です。それまで知らなかった事実に気づき、心が動かされた瞬間を指します。 また、なりゆきを説明する「なりけり」の形も頻出です。これは「〜であったのだなあ」と訳し、物語の結末や重要な発見の場面で使われます。


5. 他の重要助動詞:セットで覚える効率学習

「ず・む・けり」以外にも、セットで覚えるべき助動詞があります。

  • 強意の「つ」「ぬ」: 完了の意味だけでなく、下に推量の「む」や「べし」が来ると「きっと〜だろう(強意)」になります。

  • 推定の「なり」: 終止形接続の「なり」は、耳で聞いた情報に基づく「伝聞・推定」です。断定の「なり」との違いは、接続で見分けます。


6. 保護者の方へ:助動詞は「公式」として捉えさせてください

お子様が古文を「感覚」で読もうとして苦戦しているなら、「助動詞は数学の公式と同じだよ」とアドバイスしてあげてください。

保護者の方にできるサポートは、暗記作業の確認です。「『未然形+ぬ』と『連用形+ぬ』はどう違うんだっけ?」といった、一問一答形式の問いかけが、お子様の知識を定着させます。 古文は、主要な助動詞10〜15個のルールを覚えるだけで、世界の見え方が劇的に変わる科目です。暗記の初期段階を乗り越えれば、パズルを解くような楽しさが待っています。


7. まとめ:助動詞を制する者が古文を制す

古文の助動詞攻略に、魔法のような近道はありません。しかし、注目すべきポイントを絞ることで、学習効率は最大化できます。

  1. 「ず」の活用形(ぬ・ね)を、直前の接続で判別する。

  2. 「む」の意味を、主語(一人称・二人称・三人称)から決定する。

  3. 「けり」を、地の文なら過去、和歌なら詠嘆と使い分ける。

この「3大助動詞」をマスターするだけでも、あなたの古文の得点力は別人のように進化します。


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