【共通テスト現代文】評論文でよく出るテーマ別キーワード辞典:読解速度を劇的に変える「語彙」の力

現代文の勉強法

「文章を読んでいるのに、何を言っているのかさっぱり頭に入ってこない」 「漢字は書けるけれど、『止揚』や『パラダイム』といった言葉が出てくるとフリーズしてしまう」

共通テストの現代文、特に第1問の評論文において、受験生を苦しめるのは「論理」以前に「語彙」の壁です。評論文で扱われる文章は、日常会話とはかけ離れたアカデミックな概念で構成されています。

英単語を知らなければ英語が読めないのと同様に、現代文にも「キーワード」の理解が不可欠です。それも単なる意味の暗記ではなく、その言葉が「どのような文脈で、どの言葉と対立して使われるのか」という背景知識を含めた理解が求められます。

この記事では、共通テストで頻出する4つの主要テーマに絞り、読解の武器となる重要キーワードを「辞典形式」で徹底解説します。


1. 近代(モダン)vs 現代(ポストモダン)

現代文の評論文において、最も根底にあるテーマが「近代批判」です。私たちの「当たり前」がいかに作られたものであるかを論じる際、以下のキーワードが必須となります。

① 近代(きんだい)

  • 意味: 封建的な社会を脱し、人間個人が自由と理性を獲得した時代。

  • 読解のツボ: 評論文では、多くの場合「批判される対象」として登場します。「科学万能主義」「人間中心主義」による弊害が指摘される流れを予想しましょう。

② 合理主義(ごうりしゅぎ)

  • 意味: 理性によってすべてを割り切り、効率や論理を最優先する考え方。

  • 読解のツボ: 「非合理的なもの(感情、伝統、身体)」を排除したことで、人間が疎外されているという文脈でよく使われます。

③ 自我(じが)/主体(しゅたい)

  • 意味: 他者とは切り離された、独立した「自分」という意識。

  • 読解のツボ: 近代が生み出した「強い個人」という概念です。現代の文章では、この自律的な主体が実は「社会によって作られた幻想」ではないか、という疑いが向けられます。


2. 文化・言語・身体

私たちが世界をどう認識しているかを問うテーマです。ここ数年、特に「身体性」や「コミュニケーション」に関する出題が増えています。

④ 言語の恣意性(しいいせい)

  • 意味: 言葉(音)と、それが指し示す内容(意味)の間に必然的な結びつきがないこと。

  • 読解のツボ: 「虹が何色に見えるかは、その文化の言葉が決めている」というソシュールの言語観と一緒に登場します。言葉が世界を「切り分けている」という感覚を掴みましょう。

⑤ 身体性(しんたいせい)

  • 意味: 知能や心だけでなく、肉体という存在が認識や思考に深く関わっていること。

  • 読解のツボ: AI(人工知能)との比較でよく出ます。頭(論理)だけで考えるのではなく、五感を通じた「生の経験」の重要性が説かれます。

⑥ 自国文化中心主義(エスノセントリズム)

  • 意味: 自分の属する文化の価値観を絶対視し、他者の文化を低く見る態度。

  • 読解のツボ: 「異文化理解」のテーマで頻出。対立概念は「文化相対主義(ぶんかそうたいしゅぎ)」です。


3. 科学・技術・環境

現代社会の基盤である科学を相対化する視点です。

⑦ パラダイム

  • 意味: ある時代や分野において、当然のことと受け入れられている「考え方の枠組み」。

  • 読解のツボ: 「パラダイム・シフト(枠組みの激変)」という文脈で使われます。科学も絶対の真理ではなく、時代によって変化する「仮説」に過ぎないという批判的な文脈で登場します。

⑧ 還元主義(かんげんしゅぎ)

  • 意味: 複雑な現象を、バラバラな要素に分解すればすべて理解できると考える態度。

  • 読解のツボ: 「木を見て森を見ず」という批判に使われます。生命現象などをデジタルな記号に置き換える科学への疑問が呈されます。


4. 社会・メディア・情報

インターネットやAIが普及した現代における、新しい「つながり」や「支配」の形を論じます。

⑨ 均質化(きんしつか)

  • 意味: 地域ごとの特色や個性が失われ、どこへ行っても同じような景色や価値観になること。

  • 読解のツボ: グローバル化やマスメディアの弊害として語られます。

⑩ 構築主義(こうちくしゅぎ)

  • 意味: 事実や現実は、自然にあるものではなく、社会的な制度や言葉によって「作り上げられたもの」であるとする考え方。

  • 読解のツボ: 「ジェンダー」や「国境」などが、自然の摂理ではなく、人間の都合で作られた枠組みであると論じる際に使われます。


5. 【実戦】キーワードを読解に活かすトレーニング法

単語の意味を覚えるだけでは不十分です。以下の3ステップで「使える知識」に変えましょう。

  1. 対義語(対立構造)で覚える: 現代文の論理は「対比」で動きます。「近代 vs 現代」「理性 vs 身体」「ロゴス(論理) vs ミュトス(物語)」のように、セットで覚えると本文の構造が浮き彫りになります。

  2. 具体例を自分で用意する: 「合理主義の弊害」と言われたら、「スマホで効率を追い求めすぎて、道端の草花を愛でる余裕を失うこと」のように、自分の日常に引き寄せて言語化します。

  3. キーワードから展開を予測する: 最初の段落に「近代的な自我」という言葉が出たら、「あ、後半でその自我の脆さや孤独が批判されるな」と、文章のゴールを予測しながら読む練習をします。


6. 保護者の方へ:現代文の語彙力は「大人の語彙力」です

お子様が評論文に苦戦しているとき、それは国語力の欠如というよりも、「社会的な一般教養」に触れる機会が少ないことが原因かもしれません。

保護者の方にできるサポートは、ニュースや新聞、新書のテーマについて、親子で少しだけ「抽象的」な話をしてみることです。 「AIに心はあるのかな?(身体性の問題)」「今の時代、みんな同じ服を着て同じ音楽を聴いている気がしない?(均質化の問題)」 こうした日常の対話が、評論文という難解な壁を突き崩すための「背景知識」を育てます。


7. まとめ:キーワードは文章を読み解く「レンズ」

共通テスト現代文におけるキーワードは、暗記して終わりではありません。それは、難解な文章の中に潜む論理を見抜くための「レンズ」です。

  1. 「近代批判」の枠組みをベースにする。

  2. キーワードを「対比構造」の中で捉える。

  3. 日常の事象とキーワードを結びつける想像力を持つ。

この「レンズ」を手に入れたとき、今までただの漢字の羅列に見えていた評論文が、筆者の情熱的なメッセージへと変わります。語彙を磨き、共通テストという迷宮を最短ルートで突破しましょう。

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