【漢文】漢文の文章パターンを覚えて時間を短縮する

古文・漢文の勉強法

漢文の試験対策でよくある悩みの一つが、「時間が足りない」「訳すのに時間がかかって読み終わらない」というものです。特に共通テストや模試では、漢文にかけられる時間はせいぜい10~15分程度。じっくり読んでいる暇はありません。

しかし、漢文には「ある程度決まった型」が存在します。つまり、「文章パターン」を押さえておけば、全文を一語一語ていねいに読むことなく、速く・正確に意味をつかむことができるのです。

この記事では、「漢文の典型的な文章パターン」とその覚え方を紹介し、限られた試験時間の中でも効率よく得点する方法をお伝えします。


なぜ文章パターンを覚えると速く読めるのか?

漢文は、古代中国の知識人が書いた論説・随筆・詩などが多く出題されます。これらの文章は、現代のように自由な表現ではなく、ある程度「決まった言い回し」や「お決まりの展開」で構成されていることが多いのが特徴です。

たとえば、「ある人物が登場→ある出来事に出会う→感動や反省を述べる」といった流れや、「過去の聖人の言行を引用して教訓を語る」といったパターンは、漢文の文章で繰り返し登場します。

このような型を覚えると、「この展開なら、たぶん次はこう来るな」と予測しながら読めるようになるため、処理スピードが大きく向上します。英語で言えば「文構造のテンプレートを知っている」状態です。


代表的な漢文の文章パターン5選

ここでは、入試や模試でよく登場する代表的な文章パターンを5つ紹介します。

説話型(人物エピソード)

パターン例

  • 昔ある人物が登場する(「昔者」「有一人」「或人」など)

  • ある出来事に出会う(「遇」「見」「問」「為」など)

  • 行動をとる or 教訓を得る(「遂」「乃」「因」「感」「嘆」など)

特徴
短いエピソードを通じて、道徳的な教訓や「人としてどう生きるべきか」を描きます。人物名や行動をしっかり追えば、要旨がつかめます。

例文

昔者、曾子耕於野。有人見之曰、「是賢人也。」曾子聞之而不応。

読み方のコツ
冒頭に人物が登場したら、その行動と結果に注目。「なぜその行動をとったのか?」が設問になることが多いです。


対比型(賢者vs愚者など)

パターン例

  • 賢者の行動(「君子」「賢」「知」など)

  • 愚者の行動(「小人」「愚」「無知」など)

  • 両者の結果の違いを描く(「故」「則」「是以」など)

特徴
「正しい生き方」と「間違った生き方」の対比によって、道徳や教訓を強調する構成。

例文

君子慎独、小人隠悪。故君子得道、小人失義。

読み方のコツ
「君子」と「小人」の動きが正反対に描かれるので、線を引いて対応関係をつかむと速読しやすくなります。


引用型(歴史上の人物・言葉を引用)

パターン例

  • 昔の出来事・言葉の引用(「孔子曰」「孟子云」「書曰」など)

  • それに対する筆者の意見(「今夫」「余謂」など)

特徴
過去の言葉を持ち出して「今にどう通じるか」を論じる形式。引用と筆者の意見を区別することが重要です。

例文

孔子曰、「君子和而不同。」今人反是、惑也。

読み方のコツ
引用句(「曰~」「云~」)と、それをどう評価しているかの筆者の視点を分けて読むと、設問の要点が見えます。


因果・理由説明型

パターン例

  • ある状況が示される(「人皆欲」「天下不安」など)

  • その理由を説明する(「蓋」「由是」「故」「所以」など)

特徴
現代文に近く、因果関係や理由説明が明確なパターンです。「なぜそうなるのか」が設問になりやすい。

例文

人皆欲安、而不能得者、蓋不知節欲也。

読み方のコツ
「なぜ~か」という問いを立てながら読む。「所以」「故」「由是」などを見つけたら、線を引いてチェック。


反語・皮肉型(問題提起・反問)

パターン例

  • 常識や期待を否定する(「豈」「安」「何」など)

  • 「本当は違う」という前提で進行する

特徴
「一見よさそうだけど実は間違い」という形で真意を伝える、やや難解なパターン。

例文

為人子而不孝、豈人哉。

読み方のコツ
反語表現は否定の意味があることを意識し、直訳しないよう注意。設問では「筆者の真意」が問われがちです。


文章パターンは「型+語彙」で記憶せよ

漢文の文章パターンを効率的に覚えるには、「型」だけでなく「その型でよく使われる語彙」をセットで覚えるのがコツです。たとえば「対比型」であれば、「君子」「小人」「善」「悪」「是」「非」などが頻出します。

おすすめの学習法は以下の通りです。

  • ノートにパターンごとの例文をストック

  • 語彙カードで型ごとの重要語を暗記

  • 文章を読んだ後に「これはどの型か?」と自問する習慣をつける

このように、「パターン → 語彙 → 設問形式」までをセットで覚えると、応用がききやすくなります。


まとめ:パターン暗記で処理速度が2倍に

漢文は、「型」があるからこそ、事前の対策で差がつきます。文章パターンを知っていれば、どんな文章が来ても「構造の見通し」が立ちやすくなり、読解スピードが大きく向上します。

特に共通テストや模試では、漢文にじっくり時間をかけることはできません。速く・正確に処理するためにも、今のうちに文章パターンを押さえておきましょう。

単語の暗記も大事ですが、「文章の読み方」を鍛えることで、得点力は一段とアップします。漢文を苦手科目から得点源に変えて、受験を有利に進めましょう。

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