【小論文】小論文で使える表現力を磨くトレーニングを引き立てるコツ

小論文の書き方

小論文は、ただ「正しい意見」を書けば高評価が得られる試験ではありません。主張の根拠や構成の論理性に加えて、「いかにわかりやすく、説得力を持って伝えるか」という表現力が合否を分けるカギになります。

しかし、受験生の多くは「そもそも表現力って何?」「どうすれば身につくの?」と戸惑いがちです。ましてや、勉強量の限られる高校生にとって、小論文対策はつい後回しになりやすい分野です。

この記事では、小論文で使える「表現力」を高めるためのトレーニング法と、それを日々の学習に取り入れていくための引き立て方のコツを、高校生と保護者の方双方の視点から解説していきます。


なぜ小論文に「表現力」が必要なのか?

小論文は、知識を問うテストではありません。たとえば「環境問題」「高齢化社会」「AIの普及」などのテーマに対し、自分の意見をわかりやすく、他者が納得できる形で伝えることが求められます。

つまり、どれだけ考えが正しくても、「伝わらない」文章では点数は伸びません。逆に、ありふれた意見でも読み手に伝わるように言葉を選び、構成を整えて書ける人は高評価を得られるのです。


小論文における「表現力」とは?

ここで言う「表現力」とは、文学的な美しい文章を書く力ではありません。小論文に必要なのは、以下のような論理的・実用的な表現スキルです。

  • 抽象と具体を行き来する力

  • 意見と理由を結びつける力

  • 言葉のムダを省き、正確に書く力

  • 読み手を意識した語彙・文体の調整力

つまり、「わかりやすく、読みやすく、説得力のある文章を組み立てる力」です。


表現力を伸ばす3つのトレーニング

では、具体的にどのような練習をすれば、小論文に使える表現力が身につくのでしょうか? 以下に、日々の勉強に取り入れやすいトレーニング法を紹介します。


①「抽象⇔具体」言いかえトレーニング

小論文でよくあるミスが、「抽象的なまま終わってしまう」ことです。たとえば「社会全体で協力すべきだ」と書いたとしても、それだけでは中身が伝わりません。「どんな協力か?」「誰がどう動くのか?」を補う具体例が必要です。

■ トレーニング方法:

  • 抽象語を1つ選ぶ(例:多様性、協調、効率)

  • それを具体的な行動や場面に言い換えてみる

  • 逆に、具体例を抽象的にまとめる練習も行う

■ 例:

  • 抽象:「多様性を大切にする社会」

  • 具体:「国籍や性別に関係なく働ける職場を整える」「障害のある人も移動しやすい公共施設をつくる」

この練習を繰り返すことで、具体性のある小論文が書けるようになります。


②「三行要約」トレーニング

要点をつかみ、簡潔にまとめる力は、表現力の土台となる力です。特に、長い文章を短くまとめるトレーニングは、小論文の導入や結論を書く際に役立ちます。

■ トレーニング方法:

  • 新聞のコラムや社説、時事問題の記事を読む

  • それを「三行以内」で要約する

■ コツ:

  • だれが/なにを/なぜ/どうした、をおさえる

  • 主観を入れず、客観的にまとめる

このトレーニングにより、「無駄なく伝える」力が磨かれます。


③「一文一義」添削トレーニング

文章を長くしすぎて読みにくくなるミスも、表現力の弱さの一つです。特に小論文では、**一文に一つの意味だけを書く「一文一義」**が基本です。

■ トレーニング方法:

  • 自分が書いた小論文を見直し、一文が長くなっている箇所を探す

  • 「二文に分けられるか?」「主語と述語が対応しているか?」をチェックする

■ 例:

NG文:「私は環境問題を解決するためにリサイクルの重要性を伝えることが必要で、それによって人々の意識が変わると考えています。」

改善後:「私は、環境問題を解決するにはリサイクルの重要性を伝えることが必要だと考えています。そのような啓発が、人々の意識を変えるきっかけになるからです。」

短く区切るだけで、圧倒的に読みやすくなります。


トレーニングを「引き立てる」3つのコツ

日々のトレーニングも、やり方次第で効果は大きく変わります。ここでは、表現力トレーニングを継続し、実践につなげるための「引き立て方のコツ」を紹介します。


コツ①:「実際の入試問題」とリンクさせる

トレーニングの効果を高めるには、「これは本番でこう役立つ」と明確に意識させることが重要です。

たとえば、「抽象⇔具体トレーニング」で学んだことを、実際の小論文問題にどう使うかを確認しましょう。

例題:

「人間関係におけるコミュニケーションの大切さについて、あなたの考えを述べよ。」

このとき、「コミュニケーションは大切だ」と抽象的に終わるのではなく、「たとえば、対面で相手の表情を見ながら会話することで誤解が生まれにくくなる」といった具体例を出せるかがカギになります。


コツ②:添削・フィードバックを受ける機会を増やす

表現力は、自分ひとりで磨くには限界があります。とくに「伝わるかどうか」は第三者の目でしか確認できません。可能であれば、先生や家庭教師に添削を依頼し、どこをどう直すべきかを明確にしましょう。

家庭内での活用も可能です。保護者の方が読み手役になって、「この言い回しはわかりづらい」「ここは納得できた」とコメントするだけでも、子どもの表現力は着実に伸びます。


コツ③:「音読」と「手書き」で文章感覚を養う

デジタルな時代でも、小論文の多くは手書きが基本です。タイピングでは気づけない「文章のリズム」「論理の飛躍」も、声に出して読んでみるとよくわかります。

  • 書いた文章を音読してみる

  • 口がもつれる部分=構成や表現にムリがある証拠

  • 書き直し→再度音読のサイクルを習慣にする

これだけでも、驚くほど文章が洗練されていきます。


保護者の方へ:表現力は早めの対策が有効です

小論文は高3からでは間に合わない…そんな声も少なくありません。特に「表現力」は一朝一夕で身につくものではなく、読書や対話、言葉に対する意識の積み重ねがものを言います。

中学・高校の早い段階から、文章を書く機会を意識的に増やすことが大切です。ニュースを見て意見を言わせる、家族内でディスカッションをするなど、「考えて言葉にする」習慣を家庭でも育てていきましょう。


まとめ:表現力は「技術」×「練習」で磨かれる

小論文で高得点を取るには、知識や意見そのものよりも、「どう伝えるか=表現力」が決め手になります。表現力はセンスではなく、トレーニングとフィードバックの積み重ねで必ず伸びるスキルです。

今回紹介した3つのトレーニングを継続し、実際の入試問題に応用していくことで、読み手に届く文章が書けるようになります。文章は、「練習すればするほど上達する」ものです。コツコツ続ければ、確実に得点源になります。

小論文は、正解が一つでないからこそ、「伝える力」が武器になる教科です。表現力のトレーニングを通じて、自分の考えを言葉にする力を、今から少しずつ育てていきましょう。

コメント