小論文は、高校・大学入試の中でも特に「差」がつきやすい科目です。
同じテーマで書かせても、合格する答案と不合格になる答案では、構成・論理・表現力に明確な違いがあります。
その違いを知る最も近道は、過去の合格者が実際に書いた小論文を分析することです。
この記事では、過去の合格者小論文を分析して「何が評価されているのか」を掘り下げ、同じレベルの文章を書けるようになるための練習法まで解説します。
1. なぜ「合格者の小論文」を分析するのか?
小論文は国語や英語のように明確な答えがないため、「何が正解なのか」が見えにくい科目です。
しかし、合格した受験生の文章には共通する型や考え方が存在します。
合格者の小論文に共通するポイント
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テーマからずれていない
出題意図に沿って的確に答えている。 -
論理が一貫している
主張・理由・具体例・結論の流れが崩れない。 -
読み手を意識した表現
簡潔で分かりやすく、誤解を招かない言い回し。 -
独自性がある
ありがちな意見ではなく、自分なりの視点を盛り込んでいる。
これらを知識として覚えるだけではなく、実際の合格答案で確認することで「なるほど、こうやって書くのか」という感覚がつかめます。
2. 分析のステップ
合格者の小論文を読むだけでは、ただの鑑賞で終わってしまいます。
分析には次の4ステップを踏むことが重要です。
ステップ1:設問を確認
まずは設問文を読み、出題の狙いを推測します。
例:
「現代社会における情報の信頼性について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。」
この場合、狙いは「情報リテラシー」「批判的思考力」の有無を問うものだと考えられます。
ステップ2:文章構成を把握
合格者がどのように文章を組み立てているかを、段落ごとに要約します。
例:
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序論:情報過多社会の現状と問題提起
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本論1:情報の信頼性が揺らぐ要因(フェイクニュースなど)
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本論2:信頼性を確保するための方法(複数情報源の活用など)
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結論:情報を見極める力が社会全体で必要だという主張
ステップ3:主張と根拠を抽出
各段落で「何を主張しているか」「その根拠は何か」をセットで書き出します。
例:
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主張:「情報の信頼性が低下している」
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根拠:「SNSの普及により、未確認情報が拡散されやすくなった」
ステップ4:表現の工夫をチェック
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抽象的な概念→具体例に置き換えているか
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接続詞や段落構成で流れを作っているか
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語彙選びに無駄がないか
3. 具体的な分析例
ここでは、仮想の合格者答案をもとに分析を行います。
設問
「AI技術の進歩が人間社会に与える影響について、あなたの考えを述べなさい。」
合格答案の構成
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序論:AIの進歩と社会の変化を概観
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本論1:AIによる利点(効率化・安全性向上)
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本論2:AIの課題(雇用減少・倫理問題)
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結論:利点を活かしつつ課題を克服する社会設計が必要
分析ポイント
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主張が明確:「AIは人間社会に大きな影響を与えるが、それは利点と課題の両面がある」
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バランスの取れた視点:肯定一辺倒でも否定一辺倒でもない
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具体例の的確さ:医療分野での診断支援、自動運転などの具体事例が信憑性を高めている
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結論が前向き:問題点を指摘した後、解決の方向性を示している
4. 分析結果を自分の答案に活かす方法
分析して終わりでは意味がありません。合格者の文章から学んだポイントを、自分の答案作りに反映させましょう。
① 構成テンプレートを作る
多くの合格者は次の型で書いています。
序論(問題提起)→本論(主張と根拠)→反対意見への言及→結論(提案・まとめ)
自分の中でこのテンプレートを固めておくと、本番で迷わず書き出せます。
② 良い表現をストック
読みやすさを生むフレーズや接続詞をメモしておき、次回の答案で使ってみます。
例:
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「一方で〜」「しかし〜」
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「〜という事例がある」
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「〜の観点から考えると」
③ 反論パートを入れる
入試小論文では、反対意見や別視点に触れてから自分の結論を述べると、論理の厚みが出ます。
合格者の答案を読むと、この「ワンクッション」が入っているケースが多いです。
5. 保護者ができるサポート
小論文は家庭での会話の中でも力を伸ばせます。
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新聞記事やニュースを題材に「これについてどう思う?」と意見交換する
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書いた文章を読んで、感想や疑問点をフィードバックする
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過去の合格答案を一緒に読み、良い部分を子どもに説明させる
6. 練習スケジュール例(4週間)
1週目:過去の合格者小論文を3本読み、構成・主張・根拠を分析
2週目:同じテーマで自分なりの小論文を書く
3週目:合格者答案と自分の答案を比較し、修正
4週目:新しいテーマで再度トライ
このサイクルを回すことで、着実に実力が伸びます。
7. まとめ
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合格者の小論文には「構成・論理・表現力」の共通点がある
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分析は「設問→構成→主張と根拠→表現」の順で行う
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学んだことはテンプレート化し、自分の答案に落とし込む
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保護者との日常会話も、小論文の思考力トレーニングになる
小論文は才能ではなく、型と練習量で勝負できる科目です。
今日から、過去の合格者小論文を教材にして、自分の文章力を一段上に引き上げましょう。


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