大学受験で課される「小論文」。その中には「記述式」と呼ばれる形式と、「自由記述式」と呼ばれる形式があることをご存じでしょうか。
同じ「小論文」と言っても、出題形式の違いによって求められる力は大きく変わります。記述式と自由記述式を混同したまま対策をすると、せっかくの努力が得点に結びつかないことも珍しくありません。
この記事では、両者の違いを整理しながら、それぞれの対策法や家庭でできるサポート方法について解説します。高校受験・大学受験を控える生徒さんと保護者の方に役立つ内容です。
1. 小論文における「記述式」と「自由記述式」とは?
まずは定義を明確にしておきましょう。
記述式小論文
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特徴:課題文や資料(文章、グラフ、図表など)が与えられ、それをもとに意見や要約を書く形式。
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出題例:
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新聞記事の抜粋を読んで要約し、自分の考えを述べよ。
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与えられたグラフを説明し、将来の社会への影響を論じよ。
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評価基準:
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与えられた情報を正しく読み取り、整理できているか。
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論理的に意見を展開できているか。
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客観性や資料理解が重視される。
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自由記述式小論文
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特徴:特定の資料は与えられず、テーマだけが提示され、それについて自分の考えを書く形式。
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出題例:
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「現代社会におけるリーダーの条件について論じなさい」
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「高校生活で学んだ最も大きなことは何か」
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評価基準:
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自分の経験や知識をもとに論を組み立てられるか。
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独自性や表現力が重視される。
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2. 記述式小論文が求める力
記述式は、「読み取る力」と「整理する力」が試される問題です。
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読解力:課題文の主張や資料の意味を正確につかむ。
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要約力:無駄な部分を省き、要点をコンパクトにまとめる。
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論理性:要約と自分の意見を矛盾なくつなげる。
よくある失敗
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課題文を誤解する → 出題者の意図から外れてしまう。
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要約が長すぎる → 自分の意見に割くスペースがなくなる。
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意見が課題文とズレる → 「読んでいない」と判断され減点。
記述式は“正確に理解する姿勢”が鍵です。
3. 自由記述式小論文が求める力
自由記述式では、テーマに対して自分の頭で考え抜き、独自の視点を提示する力が試されます。
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発想力:与えられたテーマに対してどの角度から切り込むか。
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構成力:序論・本論・結論を意識して、論の流れを作る。
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表現力:分かりやすく、説得力のある文章に仕上げる。
よくある失敗
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感想文になってしまう → 主観だけで論理がない。
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経験談だけで終わる → 課題から離れた作文になる。
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書きたいことが多すぎて散漫になる → 主張がぼやける。
自由記述式は“何を、どう伝えるか”が評価ポイントです。
4. 記述式と自由記述式の違いを整理
| 項目 | 記述式小論文 | 自由記述式小論文 |
|---|---|---|
| 与えられるもの | 課題文・資料 | テーマのみ |
| 重視される力 | 読解力・要約力・論理性 | 発想力・構成力・表現力 |
| 書き方の流れ | 課題文要約 → 意見 | 序論 → 本論 → 結論 |
| 主観の扱い | 控えめ、客観性重視 | 積極的に出してよい |
| よくある失敗 | 課題文を読み違える | 感想文になる |
この違いを意識するだけで、対策の方向性が明確になります。
5. 効果的なトレーニング方法
記述式対策
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新聞記事を要約する練習
200字以内でまとめる訓練を繰り返す。 -
課題文の意見を整理する練習
「筆者の主張」「根拠」「具体例」をメモする習慣をつける。 -
模範解答を比較する
どのように要約され、意見が展開されているかを分析する。
自由記述式対策
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テーマを決めて短く書く練習
「AI社会」「環境問題」「スポーツと教育」など、定番テーマで300字程度書く。 -
三段構成を徹底する
序論(主張)→本論(根拠)→結論(まとめ)を必ず意識。 -
経験を論理に変換する練習
体験談をただ述べるのではなく、そこから社会的な視点に発展させる。
6. 保護者ができるサポート
小論文対策は自学自習が難しく、保護者の声かけが効果を発揮します。
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記述式の場合:「課題文の要点を一言で言うと?」と質問してあげる。
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自由記述式の場合:「どうしてそう考えるの?」と理由を尋ねる。
家庭でのちょっとした対話が、論理的思考を鍛えるきっかけになります。
まとめ
小論文には大きく分けて 記述式 と 自由記述式 の2種類があり、それぞれ求められる力は異なります。
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記述式 … 読解力・要約力・論理性が必須。
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自由記述式 … 発想力・構成力・表現力が鍵。
「どちらの形式か」を見極めた上で、適切なトレーニングを積むことが合格への近道です。
小論文は練習次第で確実に伸びます。学校の授業だけでは不十分な場合もあるため、専門的な指導や添削を取り入れることで飛躍的に力を伸ばすことができます。
受験本番で自分の考えを堂々と書けるよう、今から準備を始めていきましょう。


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