漢文を学ぶうえで多くの受験生がつまずくのが「句法」です。語の意味や返り点を理解していても、句法を正確に覚えていなければ入試問題を読み解くことはできません。特に、大学入試レベルになると「句法の知識を問う」問題が頻出するため、確実な得点源にするには反復練習が欠かせません。
そこで今回は、難しい句法を「例文」とともに覚える方法について解説します。暗記の効率を高める工夫や、実際の学習手順もあわせて紹介します。
1. 句法を覚える重要性
漢文では、個々の語の意味よりも「句法」を理解することが読解の決め手になります。例えば、「不必然」「不得已」「未嘗不」などは、個々の字を辞書的に調べても意味がつかめません。しかし句法として「必ずしも~ず」「やむを得ず」「いまだかつて~ず」と覚えておけば、一瞬で意味がわかるようになります。
つまり、句法は「パターン暗記」が基本です。英語の熟語やイディオムと同じで、バラバラに覚えるのではなく、セットで頭に入れておくことが求められます。
2. 難しい句法の代表例
ここでは大学入試で頻出かつ難しいとされる句法を、例文とともに紹介します。
(1)未嘗不(いまだかつて~ず)
意味:これまで一度も~しなかったことはない(=必ず~する)
例文:未嘗不学也。
訳:いまだかつて学ばなかったことはない。=必ず学んだ。
(2)不得已(やむを得ず)
意味:やむを得ず~する
例文:不得已而行。
訳:やむを得ずして行く。
(3)非唯~而且(ただに~のみならず、また…)
意味:~だけでなく、さらに…
例文:非唯知也、而且行也。
訳:ただに知るのみならず、また行う。
(4)何如(いかん)
意味:どうであるか
例文:其人何如。
訳:その人はいかがであるか。
(5)安得(いづくんぞ~をえん)
意味:どうして~できようか(反語)
例文:安得無患。
訳:どうして憂いがないことがあろうか。
3. 例文暗記のポイント
句法を覚える際に重要なのは、「短い例文で丸ごと覚える」ことです。
例えば、「未嘗不」は単に「いまだかつて~ず」と意味を覚えるだけでは定着しません。
「未嘗不学也」という例文ごと覚えることで、試験本番で自然に意味が浮かんでくるのです。
また、例文はできるだけ主語や目的語を入れて具体的にすると記憶に残りやすくなります。
4. 暗記を定着させる練習法
(1)反復練習ノートを作る
句法を「句法 → 訳語 → 例文」のセットでノートにまとめます。たとえば以下のように記録します。
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未嘗不(いまだかつて~ず)
例文:未嘗不学也(いまだかつて学ばなかったことはない)
毎日5分でも音読しながら繰り返すことで、記憶が定着します。
(2)声に出して覚える
漢文は音読と非常に相性が良い分野です。黙読だけでなく、実際に声に出して句法と訳を読み上げると、リズムとともに記憶に刻み込まれます。
例:
「未嘗不(いまだかつて~ず)!」
「不得已(やむを得ず)!」
まるで掛け声のように短く強調するのがおすすめです。
(3)カード学習法
暗記カードに「句法」を表に、「意味+例文」を裏に書きます。スキマ時間にパラパラめくりながら覚えると効果的です。特に電車通学の時間や寝る前の数分など、細切れ時間に活用しましょう。
(4)自分で例文を作る
教科書や参考書に載っている例文を覚えるだけでなく、自分でオリジナルの例文を作ってみるのも効果的です。
例:「不得已」=やむを得ず
オリジナル例文:不得已而受験。
訳:やむを得ず受験する。
自分の生活に即した例文にすると、より定着度が高まります。
5. 入試レベルでの活用法
実際の入試問題では、句法が単独で出るだけでなく、「他の語と組み合わさって意味を変化」させる形で問われることもあります。
例えば、
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「安得無患」(どうして憂いがないことがあろうか)
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「豈不~乎」(あに~ずや=どうして~しないことがあろうか)
といった反語表現は入試頻出です。
そのため、句法暗記は「単独」で覚えるだけでなく、「否定」「反語」「強調」などの文脈ごとに整理して覚えると、より入試対応力がつきます。
6. 学習計画の立て方
(1)基礎期(1か月)
まずは20~30個程度の頻出句法を「例文とともに」暗記。毎日音読して記憶を固める。
(2)応用期(2か月)
難度の高い句法や入試特有の表現を追加。暗記カードを活用して復習を繰り返す。
(3)実戦期(直前期)
過去問演習の中で句法を意識的に確認し、「見た瞬間に意味が出てくる」レベルに仕上げる。
まとめ
漢文の句法暗記は、英単語や古文単語と同じく「反復」が命です。ただし、個別に暗記するよりも「例文ごと」覚える方が定着が早く、入試でもすぐに使える知識になります。
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句法は例文ごと覚える
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声に出してリズムで暗記
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カードやノートで反復練習
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自分で例文を作り、文脈ごとに整理
これらを徹底すれば、難しい漢文句法も確実に得点源に変えることができます。
漢文は敬遠されがちですが、句法を押さえれば一気に得点が安定します。日々の反復練習を習慣化して、合格点をしっかりと積み上げていきましょう。


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